動脈硬化でも医療保険に入れる?治療中の告知・加入条件を整理

結論|動脈硬化でも病名だけで加入可否は決まりません

動脈硬化で治療中でも、医療保険を検討できる場合はあります。
ただし、「動脈硬化なら入れる」「治療中なら通常型は無理」と一律には判断できません。
現在の通院・服薬状況、合併している病気、入院・手術歴などを整理し、申込先の告知項目に沿って個別に確認することが大切です。
生命保険では健康状態や傷病歴などを告知し、その内容などをもとに契約の引受けが判断されます。

はじめに|治療中でも医療保険を申し込めますか?

たとえば50代の方から、「動脈硬化で通院していて、薬も飲んでいます。これから医療保険を申し込めますか?」と聞かれたとします。

このとき最初に確認したいのは、「動脈硬化という病名」だけではありません。

いつ指摘されたのか、現在どのような治療を受けているのか、ほかに治療中の病気はあるのか、過去に入院や手術をしているのか、といった情報を順番に整理します。

健康上の問題があっても、通常の契約、特別な条件を付けた契約、引受基準を緩和した保険などが検討できる場合があります。
ただし、実際の取扱いは保険会社や商品、告知内容によって異なります。

本記事の相談例は一般例であり、特定の相談者をもとにしたものではありません。

動脈硬化の告知で確認したいこと

動脈硬化について医療保険を考えるときは、「病名があるか」だけを見るより、現在の治療状況を整理することが重要です。

日本動脈硬化学会では、高血圧、糖尿病、脂質異常症、喫煙などが動脈硬化性疾患の危険因子として挙げられています。
心筋梗塞や脳梗塞などとの関係もあるため、保険の告知でも周辺の治療歴を一緒に確認しておくと整理しやすくなります。

「いつ・何を・いまどうしているか」を整理する

告知前には、次のような情報を手元で確認しておきましょう。

  • 動脈硬化を指摘・診断された時期
  • 現在の通院頻度と最終受診時期
  • 服用している薬と服薬を始めた時期
  • 最近受けた検査と医師から説明されている状態
  • 高血圧・脂質異常症・糖尿病などの治療歴
  • 心筋梗塞・狭心症・脳梗塞などの既往歴
  • 過去の入院・手術歴
  • 現在、入院や手術を勧められているか

ここで大切なのは、自分で「軽いから書かなくてもよい」「昔のことだから関係ない」と判断しないことです。
告知で質問される内容や対象期間は保険商品によって異なるため、実際の告知書に書かれている質問に沿って正確に回答します。

通院歴の整理方法は、医療保険の告知はどこまで?通院歴の書き方を具体例で解説でも詳しくまとめています。
告知前に診療明細、お薬手帳、健康診断結果などを準備しておくと確認しやすくなります。

手元に置きたい資料は3種類から

「何年前から薬を飲んでいたか分からない」「検査の日付を覚えていない」という場合に、記憶だけで埋めようとする必要はありません。

最初に確認したいのは、健康診断や検査結果、お薬手帳、診療明細や受診記録です。
すべてがそろっていなくても、確認できる資料から時系列に並べると、告知で聞かれた内容に答えやすくなります。

脂質異常症や高血圧も治療している場合は、それぞれを別々に考えず、診断時期、服薬状況、最近の検査などをまとめて確認します。
脂質異常症で服薬中でも保険に入れる?緩和型医療保険・がん保険の選び方も参考になります。

通常型と引受基準緩和型は順番を決めつけない

「持病があるから最初から引受基準緩和型」と決める必要はありません。

健康状態によっては通常の保険を検討できる場合もあれば、特別な条件が付く場合、引受基準緩和型が選択肢になる場合もあります。
健康状態に不安がある人向けの保険は告知項目が限定されていますが、それでも診査がなくなるわけではありません。

通常型を検討できる可能性も残す

動脈硬化で治療中だからといって、読者側で「通常型は申し込めない」と先に結論を出すと、選択肢を狭めてしまうことがあります。

確認したいのは、現在の治療内容、服薬状況、関連する病気、入院・手術歴などです。
それらを整理したうえで、通常型を確認するのか、引受基準緩和型まで含めて比較するのかを考えます。

高血圧も治療している方は、50代女性の医療保険見直し|高血圧でも申込める?で告知前の確認順を整理しています。

糖尿病について確認したい場合は、1型糖尿病でも医療保険に入れる?60代女性の保険見直しもあわせて確認してください。

引受基準緩和型は「誰でも入れる保険」ではない

引受基準緩和型医療保険は、一般に通常の医療保険より告知項目が少ないタイプですが、告知項目は保険会社・商品によって異なります。
生命保険文化センターも、引受基準緩和型について一般的な医療保険より告知項目を限定した商品として説明しています。

したがって、「動脈硬化なら入れる」「通常型に入れなければ緩和型には入れる」と断定することはできません。
また、一般的な医療保険より保険料が高く設定される商品もあるため、加入しやすさだけでなく保障内容と保険料を一緒に確認します。

現在の治療状況を整理できたら、通常型と引受基準緩和型のどちらを確認できるか、保障内容と告知項目を見比べてみましょう。

申込み前は「告知」と「保障」を分けて確認する

加入できるかどうかに意識が集中すると、保障内容の確認が後回しになりがちです。

しかし、「申し込める可能性があること」と「自分に必要な保障であること」は別の問題です。
告知を正確に行いながら、入院・手術など何に備える保険なのか、保険料を継続して負担できるかまで確認していきます。

告知は代理店へ話すだけで終わらせない

「担当者に病気のことを話したから告知した」と考えるのは注意が必要です。

生命保険文化センターでは、募集人などには告知を受ける権限がなく、口頭で伝えただけでは告知したことにならない場合があると説明しています。
告知書や所定の入力画面で、質問された内容へ正確に回答することが基本です。

分からない項目があれば、勝手に推測して埋めるのではなく、お薬手帳や診療明細などを確認しながら整理しましょう。

保障は「動脈硬化専用」で考えない

医療保険を選ぶときは、「動脈硬化があるから、この病気だけに備えればよい」と考えるのではなく、入院や手術など医療費全体への備えとして確認します。

公的医療保険や貯蓄でどこまで備えられるかを考えたうえで、民間の医療保険で補いたい部分を決めます。
保障を増やすほど保険料の負担も大きくなるため、加入できる保障を全部付けるのではなく、必要性と家計の両方から検討することが大切です。

告知項目と手元資料がそろったら、「加入しやすさ」だけでなく、入院・手術の保障と無理なく続けられる保険料かをあわせて確認してください。

よくある質問

動脈硬化で薬を飲んでいても医療保険を申し込めますか?

検討できる場合はあります。ただし、服薬していることだけで加入可否は決まりません。
診断時期、現在の治療、ほかの病気、入院・手術歴などを告知し、その内容などをもとに個別に判断されます。

動脈硬化なら最初から引受基準緩和型を選んだ方がよいですか?

一律にはいえません。通常型を検討できる場合もあるため、自分で選択肢を限定せず、まず現在の治療状況を整理する方法があります。
通常型と引受基準緩和型では告知内容や保険料などが異なるため、条件を確認して比較します。

動脈硬化があっても、がん保険には必ず入れますか?

必ず入れるとはいえません。がん保険にも商品ごとの告知項目や加入条件があるため、「動脈硬化ならがん保険には加入できる」と一律に判断することはできません。

告知は何年前までの通院を書けばよいですか?

すべての保険で共通の期間が決まっているわけではありません。
実際の告知書に記載された質問と期間に沿って回答します。「何年前なら書かなくてよい」と自己判断せず、質問文を確認してください。

まとめ|病名ではなく治療状況を整理してから確認する

動脈硬化で治療中でも、医療保険を検討できる場合があります。ただし、加入可否を病名だけで決めることはできません。

告知前には、診断時期、通院・服薬、最近の検査、高血圧・脂質異常症・糖尿病などの治療歴、心臓や脳の病気、入院・手術歴を整理します。

そのうえで、通常型を確認できるか、引受基準緩和型の告知項目に該当するかを順番に見ていきます。

「入れる保険を探す」ことだけを目的にせず、必要な保障と無理なく続けられる保険料まで確認することが大切です。

現在の治療状況と告知資料を整理できた方は、取扱いのある医療保険と引受基準緩和型医療保険の保障内容を比較してください。

本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。

参考資料・出典

参考資料・出典

日本動脈硬化学会「脂質異常症診療のQ&A」

生命保険文化センター「健康上問題があると、生命保険は契約できないの?」

生命保険文化センター「健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?」

生命保険文化センター「生命保険を『契約』する際の留意点を確認しましょう」

生命保険協会「正しい告知を受けるための対応に関するガイドライン」

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。