骨折で手術したら医療保険は出る?手術給付金の確認方法

目次

結論|骨折で手術しても「手術した=必ず給付」ではありません

骨折で手術を受けた場合、医療保険の手術給付金を受け取れる可能性があります。

ただし、骨折の手術をしただけで、すべての契約から必ず給付されるとは限りません。

最初に診療明細書などで正式な手術名を確認します。

次に、現在の契約がその手術を支払対象としているか、入院中・外来で扱いが変わるか、給付額が定額か倍率方式かを約款などで確認します。

「骨折」という病名から判断するのではなく、実際に受けた手術と現在の契約を照合するのがポイントです。

はじめに|「骨折して手術したから保険は出るよね?」

骨折で手術を受けることになったとき、

「医療保険に入っているから手術給付金は出ますよね?」

と考える方は多いでしょう。

一方で、

「プレートを入れた手術は対象?」

「日帰り手術でも出る?」

「昔入った医療保険でも同じ?」

「何万円受け取れる?」

という疑問も出てきます。

日本整形外科学会では、骨折の治療について、ギプスなどによる固定だけでなく、必要に応じて金属製の板や棒などを用いて骨折部を固定する手術が行われると説明しています。

実際の治療方法は、骨折した部位や折れ方などによって異なります。

医療保険についても同じで、「骨折の手術」という一言だけでは給付可否や金額を決められません。

この記事では、

①正式な手術名
②現在の契約
③入院・外来
④給付額
⑤請求方法

の順番で確認します。

骨折の手術給付金は正式な「手術名」から確認する

最初に確認したいのは、

「腕を骨折した」

「足にプレートを入れた」

という日常的な説明ではありません。

診療明細書などに記載されている正式な手術名です。

骨折の治療では、部位や状態によって治療方法が異なります。

日本整形外科学会では、たとえば橈骨遠位端骨折について、骨折部をプレートで固定する方法、鋼線を用いる方法、創外固定など、状態に応じて複数の治療方法があると説明しています。

つまり、

「骨折」=一つの手術

ではありません。

病名と手術名は分けて確認する

たとえば、

病名:○○骨折

と、

実際に受けた手術名

は別に確認します。

保険会社へ問い合わせるときも、

「骨折の手術をしました」

だけより、

診療明細書などを手元に置いて正式な手術名を伝える方が確認しやすくなります。

診療明細書を確認する

退院後であれば、まず診療明細書を確認しましょう。

手元にある場合は、

  • 手術日
  • 正式な手術名
  • 入院日
  • 退院日
  • 手術を入院中に受けたか
  • 外来で受けたか

をメモします。

手術説明書や退院時の書類に手術名が記載されている場合もあります。

「プレートを入れたから給付対象だろう」と自分で判断せず、まず名称を確認するのが第一段階です。

次に「いつ契約した医療保険か」を確認する

正式な手術名が分かったら、次は現在加入している医療保険を確認します。

ここで重要になるのが契約内容と契約時期です。

生命保険文化センターによると、医療保険の手術給付金には、契約によって支払対象となる手術の考え方に違いがあります。

現在販売されている商品では、公的医療保険の対象となる手術を保障するタイプが多くなっています。

一方、過去の契約には「所定の手術」を列挙しているタイプもあります。

そのため、

「家族が同じ骨折手術で給付された」

からといって、

「自分の契約でも同じように給付される」

とは限りません。

まず見るのは保険証券と契約内容

手元にある、

  • 保険証券
  • 契約内容のお知らせ
  • 契約概要
  • ご契約のしおり・約款

などを確認します。

特に約款では、手術給付金の支払対象となる手術について確認します。

一般的な手術給付金の仕組みは、医療保険の手術給付金はいくら?日帰り手術と対象外を確認で詳しく整理しています。

「健康保険が使えた=必ず給付」とも限らない

最近の医療保険では、公的医療保険制度の対象となる手術を広く保障するタイプがあります。

ただし、すべての契約が同じではありません。

生命保険文化センターも、公的医療保険対象の手術を保障するタイプであっても、一部の軽微な手術などが除外される場合があると説明しています。

そのため、

健康保険が使えた手術だから民間医療保険も必ず給付される

とは決めず、現在の契約を確認してください。

入院中の手術か外来手術かも確認する

次に確認するのは、

手術をどこで受けたか

ではなく、

契約上、入院中の手術として扱われるのか、外来手術として扱われるのか

です。

医療保険によっては、入院中に受けた手術と外来で受けた手術で給付額が異なる場合があります。

反対に、入院・外来にかかわらず同額の契約もあります。

「日帰りだから出ない」とは限らない

手術給付金は、必ずしも長期入院を前提とするものではありません。

外来手術を支払対象としている契約であれば、入院を伴わない手術でも給付対象になる場合があります。

ただし、

「日帰り手術だから必ず出る」

とも言えません。

正式な手術名と契約条件を照合します。

入院給付金とは別に考える

骨折で入院して手術を受けた場合、

入院給付金

と

手術給付金

は分けて確認します。

入院給付金が支払われるから、自動的に手術給付金も支払われるという意味ではありません。

反対に、入院給付金の対象にならない外来手術でも、契約によっては手術給付金の確認対象になる場合があります。

骨折時の入院・手術・通院の給付全体を確認したい方は、「骨折で医療保険はいくら出る?入院・手術・通院の給付を確認」で整理しています。

手術給付金はいくら出る?定額と倍率方式を確認する

手術が支払対象であることを確認したら、次に金額を確認します。

手術給付金の決まり方は契約によって異なります。

代表的には、

手術1回につき一定額

というタイプと、

入院給付金日額 × 所定の倍率

で決まるタイプがあります。

たとえば契約上、

入院給付金日額5,000円。

対象となる手術の給付倍率10倍。

と定められているなら、

5,000円 × 10倍=5万円

という計算になります。

これは仕組みを説明するための例で、実際の給付額や倍率は契約によって異なります。

生命保険文化センターも、手術給付金の給付倍率などは商品によって異なると説明しています。

骨折手術だから倍率が決まるわけではない

「プレートを入れた手術なら○万円」

「足の骨折だから20倍」

というように、骨折部位だけで金額を判断することはできません。

確認するのは、

  1. 現在の契約
  2. 正式な手術名
  3. 支払対象か
  4. 入院中か外来か
  5. 給付額・倍率

です。

現在の保険から受け取れる金額全体を知りたい場合は、手術給付金だけでなく入院給付金なども別に確認します。

骨折による入院費そのものは、「骨折で入院したときの費用はいくら?医療保険と高額療養費を整理」で、公的制度と自己負担を分けて整理しています。

「手術したのに出ない」ときは3点を確認する

骨折で手術をしたのに、

「手術給付金の対象ではありません」

と言われる場合もあります。

そのときは、まず次の3点を確認します。

1.契約上の支払対象となる手術か

生命保険文化センターは、手術給付金を受け取れる手術の範囲は、契約している保険会社、商品、契約した時期などによって異なる場合があるとしています。

古い契約では、約款に対象となる手術が列挙されているタイプもあります。

まず現在の約款を確認します。

2.保障開始前のケガではないか

生命保険文化センターでは、保障が始まる前に生じていた病気やケガを原因として、保障開始後に手術を受けた場合、原則として給付対象外になる例を示しています。

そのため、

骨折した日

と

現在の契約の保障開始時期

も確認します。

骨折してから新しい医療保険への加入を考えている方は、「骨折してから医療保険に入れる?治療中・通院中の告知と確認ポイント」で加入時の確認事項を整理してください。

3.契約上の除外条件に該当していないか

公的医療保険の対象手術を保障する契約でも、除外される手術等が定められている場合があります。

給付されない理由を、

「骨折の手術なのにおかしい」

と病名だけで判断するのではなく、

約款のどの条件に該当したのか

を確認しましょう。

分からない場合は、保険会社へ正式な手術名を伝えて確認します。

請求前に5つの資料を並べる

実際に給付金を請求するときは、記憶だけで確認しないことが大切です。

手元に次の資料を準備すると整理しやすくなります。

資料確認する内容
診療明細書正式な手術名
手術説明書手術内容・実施日
退院時書類入院日・退院日
保険証券契約・保障内容
ご契約のしおり・約款手術給付の支払条件

保険会社へ連絡するときは、

「骨折で手術しました。保険は出ますか?」

だけでなく、

「○月○日に手術を受けました」

「診療明細には○○と記載されています」

「○月○日から○日まで入院しました」

と伝えられるようにしておくと確認しやすくなります。

複数の医療保険がある場合は全部確認する

医療保険を複数契約している場合は、1つの契約だけで終わらせず、それぞれの契約を確認します。

契約によって、

  • 対象手術
  • 給付額
  • 入院・外来の扱い
  • 請求方法

が異なる場合があります。

医療保険が2つあると給付金は両方出る?請求漏れを防ぐ5つの確認も参考にしてください。

よくある質問

骨折でプレートを入れる手術をしたら給付金は出ますか?

一律には判断できません。

診療明細書などで正式な手術名を確認し、その手術が現在の契約で支払対象になっているかを約款等で確認します。

最終的な給付可否は保険会社が契約内容と請求書類をもとに判断します。

骨折の日帰り手術でも手術給付金は出ますか?

外来手術を保障する契約で、所定の支払条件を満たせば対象になる場合があります。

「日帰りだから出ない」「日帰りでも必ず出る」と決めず、正式な手術名と契約内容を確認してください。

手術給付金は入院給付金と両方受け取れますか?

入院給付金と手術給付金は、それぞれの支払条件を確認します。

両方の支払条件を満たす場合もありますが、実際の給付可否や金額は現在の契約内容によって異なります。

まとめ|診療明細の「手術名」と約款を並べて確認する

骨折で手術を受けた場合、医療保険の手術給付金を受け取れる可能性があります。

ただし、

骨折した

手術した

という2つの情報だけでは、給付可否や金額は分かりません。

確認する順番は、

①診療明細書で正式な手術名を確認する

②現在の医療保険の契約内容を確認する

③その手術が支払対象か確認する

④入院中か外来かを確認する

⑤定額・倍率など給付額の決まり方を確認する

です。

特に昔から加入している医療保険は、現在販売されている商品と手術給付の対象範囲が異なる場合があります。

家族や知人が同じ骨折で給付されたとしても、自分の契約が同じとは限りません。

診療明細書と現在の約款を並べて確認しましょう。

今回の骨折手術で現在の保障内容が分かったら、給付請求とは別に、今後の入院・手術への備えとして不足があるかを確認できます。


今回の骨折手術で現在の給付内容を確認し、今後の入院・手術に対して不足すると感じる保障があれば、現在の契約を残したまま必要な医療保障を比較してみましょう。

個人情報を含む診療明細書、手術説明書、保険証券などを送信・共有する場合は、送信先と必要な情報の範囲を確認してください。

情報基準日:2026年9月29日

この記事は一般的な情報提供を目的としています。
個別の手術が手術給付金の対象となるか、給付額はいくらかなどは、保険会社・商品・契約時期・約款・手術内容等によって異なります。
実際の給付請求では、現在の保険証券、ご契約のしおり・約款、診療明細書等を確認し、契約先の保険会社等へお問い合わせください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。