脳梗塞の退院後にかかるお金は?リハビリ・通院費と公的制度を整理

目次

結論|退院後のお金は「通院・リハビリ・生活支援・収入」に分ける

脳梗塞で退院した後も、家計から出ていくお金がすぐになくなるとは限りません。

外来診察。

リハビリ。

薬。

通院交通費。

状態によっては、介護サービスや福祉用具なども必要になる場合があります。

さらに仕事へすぐ戻れない場合は、医療費だけでなく収入減も考える必要があります。

そのため退院後は、

医療費 → 介護・生活支援 → 通院に伴う支出 → 収入減

の順に分けて確認すると、何の制度を確認すればよいかが見えやすくなります。

はじめに|「退院したのに、お金がかかり続ける」と感じたら

「脳梗塞で退院できましたが、リハビリ通院が続きます」

「病院代以外にも交通費や薬代がかかり、いつまで続くのか心配です」

入れるほけんの森川です。

退院すると、入院費の支払いは一区切りします。

しかし、脳梗塞では退院後も外来診察やリハビリ、服薬などが続く場合があります。

さらに、日常生活に支援が必要な場合には、公的介護保険を確認する場面もあります。

ここで大切なのは、「退院後は毎月○万円かかる」と平均額を探すことではありません。

自分が実際に使っている医療・サービスと、支払った金額を分けます。

脳梗塞で入院している間の費用、高額療養費、食事代、差額ベッド代を確認したい方は、「脳梗塞の入院費はいくら?高額療養費と保険外費用の確認順」で整理してください。

脳梗塞後の医療保険への加入や告知を確認したい方は、脳梗塞と保険|発症後に医療保険へ入れる?50代の5つの確認点へ進んでください。

この記事では、新しい保険への加入可否ではなく、退院後に続く費用と使える公的制度に絞ります。

退院後にかかるお金を4つに分ける

まず、退院後に実際に支払っているものを4つへ分けます。

1.診察・検査・リハビリ

退院後の外来診察、検査、医療機関で受けるリハビリなどです。

脳梗塞は、脳血管疾患等リハビリテーションの対象となる疾患の一つとして診療報酬上定められています。

ただし、どのリハビリを、どこで、どの制度を利用して受けるかは、退院後の状態や医師の判断などによって異なります。

まず予約票や診療明細から、自分がどの医療機関へ何回通っているかを確認します。

2.薬代

脳梗塞後に再発予防などのため、服薬が続く場合があります。

薬代は「毎月同じ」と考えず、薬局の領収書で実際の支払額を確認します。

薬の種類や処方日数が変われば、支払額も変わります。

3.通院にかかる交通費

病院やリハビリ施設へ行くための電車・バスなどの交通費も、通院回数が増えると積み上がります。

家計管理では、

・受診日
・医療機関
・利用区間
・往復金額

を残しておくと確認しやすくなります。

税制上の医療費控除では、治療を受けるために通常必要な公共交通機関による通院費が対象となる場合があります。

一方、自家用車で通院する場合のガソリン代や駐車料金は、国税庁では医療費控除の対象外とされています。

4.生活を支えるサービス

退院後も日常生活の一部に支援が必要な場合があります。

訪問サービス。

通所サービス。

福祉用具。

住宅での生活を支えるサービス。

こうした費用は、病院へ支払う医療費とは別に確認します。

状態によっては、公的介護保険を利用できる可能性があります。

リハビリ・通院費はまず公的医療保険を確認する

退院後の医療費を考えるときも、最初から民間保険でいくら補うかを考える必要はありません。

まず公的医療保険での自己負担を確認します。

外来リハビリも実際の診療明細で確認する

医療機関で公的医療保険を使ってリハビリを受けている場合は、診療明細や領収書で自己負担額を確認します。

「脳梗塞のリハビリなら1回○円」と固定額では考えません。

リハビリ内容、実施量、医療機関、自己負担割合などによって支払額は変わります。

通院が続いて医療費が高くなったら高額療養費を確認する

高額療養費は入院だけの制度ではありません。

公的医療保険が適用される外来診療などで自己負担が高額になった場合も、制度の対象になるかを確認します。

自己負担限度額は年齢や所得などによって異なります。

2026年8月からは月額上限の見直しと年間上限の導入が行われています。

複数の医療機関や薬局を利用している場合は、どの自己負担額を合算できるかにも条件があります。

自分で合算額を決めず、加入している健康保険へ確認してください。

高額療養費の窓口負担については、限度額適用認定証は必要?マイナ保険証・高額療養費との違いでも整理しています。

領収書を月ごとにまとめる

退院後の医療費は、入院時より1回当たりの支払いが小さく見える場合があります。

そのため、

「毎回数千円だから大丈夫」

と1回ずつ見るより、月ごとにまとめます。

病院。

リハビリ。

薬局。

これらを同じ月の資料として保管すると、高額療養費や年間医療費を確認するときにも整理しやすくなります。

日常生活に支援が必要なら公的介護保険も確認する

脳梗塞後のリハビリや生活支援では、年齢と状態によって公的介護保険を確認する場面があります。

65歳以上は要介護・要支援認定を確認する

65歳以上の第1号被保険者は、原因を問わず、要介護または要支援状態と認定された場合に介護保険サービスを利用できます。

「脳梗塞だから自動的に使える」という意味ではありません。

要介護・要支援認定が必要です。

40〜64歳でも脳血管疾患は対象になり得る

ここは50代の方にも関係するポイントです。

40〜64歳の医療保険加入者は、公的介護保険の第2号被保険者です。

第2号被保険者が介護保険サービスを利用できるのは、所定の特定疾病が原因で要介護・要支援状態となり、認定を受けた場合です。

その特定疾病には「脳血管疾患」が含まれています。

つまり、

「まだ65歳ではないから介護保険は関係ない」

とは限りません。

脳梗塞後に日常生活の支援が必要な40〜64歳の方は、市区町村の介護保険窓口などへ確認する選択肢があります。

50代の公的介護保険の考え方は、50代独身女性に介護保険は必要?ひとりの老後に備える考え方でも確認できます。

医療保険のリハビリと介護保険サービスを混ぜない

退院後のリハビリには、医療機関で公的医療保険を使って行うリハビリと、要介護・要支援認定後に介護保険を利用して行う通所・訪問リハビリなどがあります。

すべての人が退院後すぐ介護保険へ変わるわけではありません。

反対に、ずっと同じ医療保険のリハビリが続くとも限りません。

年齢。

現在の身体状況。

医療上必要なリハビリ。

介護認定。

利用するサービス。

によって取扱いが異なります。

退院時の医療ソーシャルワーカー、市区町村、地域包括支援センター、ケアマネジャーなどへ確認してください。

仕事へ戻れない期間は「医療費」と「生活費」を分ける

退院しても、すぐ元の仕事へ戻れるとは限りません。

ここでは治療費と収入減を混ぜないことがポイントです。

傷病手当金は医療費を払う制度ではない

会社員など健康保険の被保険者が、業務外の病気やケガのため働けず、一定の条件を満たした場合は傷病手当金を受けられる可能性があります。

傷病手当金は、

「病院代を払い戻す制度」

ではありません。

療養のため仕事を休み、十分な給与を受けられないときの生活保障です。

協会けんぽでは、連続する3日間の待期後、4日目以降の労務不能日などが支給要件となり、同一の傷病について支給開始日から通算1年6か月が支給期間とされています。

詳しくは、傷病手当金はいくら?支給条件・計算方法・申請の流れで確認してください。

家計を2つに分ける

退院後は、

医療側の財布
診察・リハビリ・薬・交通費など

と、

生活側の財布
家賃・住宅ローン・食費・光熱費など

を分けます。

高額療養費は主に医療費側。

傷病手当金は主に生活費側。

介護保険は必要な介護サービス側。

それぞれ役割が違います。

一つの制度で全部の負担が解決するわけではありません。

年間の通院費は医療費控除も確認する

通院が数か月から1年と続く場合は、病院や薬局の領収書と通院交通費の記録を残します。

医療費控除では、実際に支払った対象医療費から、保険金や高額療養費などで補てんされる金額を差し引いて確認します。

支払った医療費がそのまま税金として戻る制度ではありません。

年末になってから1年分を思い出すのではなく、退院後から資料をまとめておくと確認しやすくなります。

よくある質問

脳梗塞の退院後リハビリはいくらかかりますか?

一律の金額はありません。

医療保険を利用するリハビリなのか、介護保険サービスなのか、実施内容、回数、自己負担割合などで変わります。

実際の診療明細や利用サービスの料金表で確認してください。

通院でも高額療養費を利用できますか?

公的医療保険が適用される外来診療についても、高額療養費の対象になる場合があります。

合算方法などには条件があるため、加入している健康保険へ確認してください。

50代で脳梗塞になったら介護保険を使えますか?

40〜64歳の第2号被保険者でも、脳血管疾患などの特定疾病が原因で要介護・要支援状態となり、認定を受けた場合は介護保険サービスを利用できる可能性があります。

脳梗塞になっただけで自動的に対象になるわけではありません。

リハビリの交通費は医療費控除になりますか?

治療を受けるため通常必要な電車・バスなどの通院費は、医療費控除の対象となる場合があります。

自家用車のガソリン代や駐車料金は対象外です。

利用日、区間、金額を記録しておくと確認しやすくなります。

退院しても仕事へ戻れない場合はどうすればよいですか?

会社員など健康保険の被保険者で、病気の療養のため働けないなど所定の条件を満たす場合、傷病手当金を確認できます。

勤務先の制度や加入している健康保険も確認してください。

まとめ|退院後は「毎月いくら」ではなく制度別に整理する

脳梗塞の退院後は、入院費が終わっても支出が続く場合があります。

外来診察。

リハビリ。

薬。

通院交通費。

生活を支えるサービス。

さらに、すぐ仕事へ戻れなければ収入にも影響します。

まず医療機関と薬局で実際に払った金額を確認します。

医療費が高額になる場合は高額療養費を確認します。

生活に支援が必要な場合は公的介護保険を確認します。

40〜64歳でも、脳血管疾患が原因で要介護・要支援認定を受けた場合には介護保険の対象になり得ます。

仕事を休む期間が続く会社員などは、医療費とは別に傷病手当金を確認します。

さらに年間では、領収書と交通費記録を残し、医療費控除も確認します。

つまり、退院後のお金は一つではありません。

治療に使うお金。
生活を支えるサービスのお金。
通院のためのお金。
働けない間の生活費。

この4つに分けると、自分が次に確認すべき制度が見えやすくなります。

公的制度と現在の貯蓄を確認しても、今後の入院・手術時の家計負担に不足が残ると考える場合は、その不足に対して医療保険が必要かを別に確認してください。

退院後のリハビリ・通院費、公的制度、生活費まで整理したうえで、今後の入院・手術への備えに不足が残る場合だけ、必要な医療保障を確認しましょう。

個人情報保護のため、特定の相談者や治療状況を実話として再現せず、一般的な確認場面として構成しています。

※本記事は2026年10月5日時点で確認できる公的制度・公開情報をもとに作成しています。

本記事は保険・公的制度に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。

実際のリハビリ内容、自己負担、公的医療保険・介護保険の適用、傷病手当金、医療費控除、民間保険の加入条件・保障範囲は、医療機関、加入している健康保険、市区町村、税務署、契約書類等をご確認ください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。