変形性膝関節症で注射・通院中でも医療保険に入れる?

目次

結論|ヒアルロン酸注射・通院中でも、医療保険を検討できる場合があります

変形性膝関節症でヒアルロン酸注射を受け、整形外科への通院を続けていても、それだけで医療保険への加入が不可能と決まるわけではありません。

ただし、「注射を受けているか」だけで加入可否を判断することもできません。
注射を始めた時期、通院の頻度、治療が継続しているか、入院・手術を勧められているかを分けて確認する必要があります。

通常型医療保険の審査結果によっては、特別条件が付く場合や加入できない場合があります。そのようなときには、健康状態に関する告知項目を限定した引受基準緩和型医療保険も検討対象になります。
どちらも加入を保証するものではありません。

この記事では、注射・通院を続けている方が、申込み前に何を整理すればよいかを具体的にお伝えします。

はじめに|膝に注射を打っていると医療保険に入れない?

「変形性膝関節症で、毎月ヒアルロン酸注射を受けています」

「50代になって医療保険を見直したいけれど、整形外科に通っていると難しいのでしょうか」

こんにちは。入れるほけんの早川美緒です。

40代・50代の女性にとって、膝の痛みが続くなかで、今後の医療費や入院への備えを考えることもあるでしょう。
注射だけでなく、飲み薬、湿布、運動療法などを組み合わせている方もいます。

しかし、保険の告知で大切なのは、治療の良し悪しや痛みの強さを評価することではありません。
申込先が質問する治療歴を、事実に沿って整理することです。
この記事は、変形性膝関節症全般の加入判断ではなく、注射・外来通院が続く場合の確認点に絞ります。

ヒアルロン酸注射と通院は、保険の告知でどう扱われる?

ヒアルロン酸注射は変形性膝関節症の治療方法の一つ

日本整形外科学会は、変形性膝関節症の保存的な治療として、内服薬や外用薬、膝関節内へのヒアルロン酸注射、運動器リハビリテーションなどを紹介しています。

注射の回数や治療間隔、他の治療との組み合わせは患者ごとに異なります。そのため「何回打ったら重症」「月1回なら軽症」と決めつけることはできません。
治療方針は主治医と相談し、保険のために必要な受診や治療を中断しないでください。

外来で注射を受けることと、入院・手術歴は別

整形外科の外来で関節内注射を受けた事実は、それ自体が入院・手術をした事実を意味するわけではありません。

一方で、通常型医療保険では、病気による通院、診察、処置、投薬などを質問される場合があります。
注射は外来治療の一つとして、その質問に該当する可能性があります。

また、引受基準緩和型医療保険には、最近の入院・手術のすすめや、過去の入院・手術歴などを確認するものがあります。
外来で注射をしているだけなのか、入院や手術について医師から説明・勧奨を受けているのかを分けて考えることが重要です。

注射と通院の状況を整理できたら、引受基準緩和型医療保険の申込先で告知質問を確認できます。
質問の対象期間や入院・手術のすすめに関する条件を見て、ご自身の治療歴と照らし合わせましょう。

注射の開始時期・通院頻度・治療期間を整理する方法

「今も注射を受けている」という一言だけでは、いつから、どの程度の期間、どのような治療を続けているのかが分かりません。次のように時系列で整理すると、実際の告知質問に回答しやすくなります。

確認すること整理する内容手元で確認できる資料の例
診断時期変形性膝関節症と診断された年月診療明細・受診記録
注射の開始時期初めて注射を受けた時期診療明細・カレンダー
通院頻度週ごと・月ごとなど実際の受診間隔領収書・予約履歴
注射以外の治療痛み止め、湿布、リハビリなどお薬手帳・診療明細
現在の状況注射継続中・一時中断・治療終了など直近の受診記録
今後の予定次回の受診、検査、入院・手術のすすめ予約票・医師の説明

これらは告知を正確に行うための確認メモです。
すべてを保険会社に提出する必要があるという意味ではありません。

継続中・中断中・終了後は混同しない

例えば、以前は週1回の注射を受けていて、現在は数か月ごとの診察だけという方もいるでしょう。
反対に、一度注射を中断しても、痛みの再発などで治療を再開している場合があります。

「最後の注射日」と「最後の受診日」は同じとは限りません。
また、通院しなくなった理由が自己判断による中断なのか、医師の判断による治療終了なのかも区別しておくと、現在の状態を説明しやすくなります。

注射の回数を少なく書けばよい、は誤り

「毎月通っていると不利そうだから、注射を数回受けた程度と伝えよう」と考えるのは避けてください。

告知は、申込先の質問に該当する事実をありのまま回答するものです。
回答すべき期間内の注射回数や受診歴を意図的に少なく申告すると、告知義務違反の問題につながる場合があります。
分からない数字や日付は推測せず、受診先や手元の資料で確認しましょう。

通常型と引受基準緩和型の告知で確認すること

通常型では、注射を含む治療歴を質問される場合がある

通常型医療保険では、一定期間内の診察、治療、投薬や、病名・治療期間などについて質問される場合があります。
ヒアルロン酸注射を受けた方も、質問文に含まれる範囲で正しく回答します。

通常型の申込みでは、健康状態に応じて特別条件が提示される場合や、引受けが難しい場合があります。
一方、傷病歴があっても、通常の条件で契約できることもあります。注射中だから通常型は絶対に無理、と決める必要はありません。

より一般的な告知の対象期間や記入方法は、医療保険の告知はどこまで?通院・検査・薬は何年前まで伝える?で解説しています。

緩和型では、注射の回数そのものが質問されない場合もある

生命保険文化センターは、引受基準緩和型医療保険の告知が、一般に3~5項目程度に限定されると説明しています。
質問の例には「最近3か月以内に医師から入院・手術を勧められたか」「過去2年以内に入院・手術をしたか」などがあります。

ただし、これらは一部の一般的な質問例であり、すべての申込先に共通する条件ではありません。
注射の回数を直接質問しない場合でも、別の質問への回答が必要なことがあります。
質問にない事項を勝手に隠すのでも、何も質問されていないのに不要な推測をするのでもなく、告知画面の項目を一つずつ確認しましょう。

通常型・緩和型の違いは、引受基準緩和型医療保険とは?通常型との違い・告知・選び方を解説でも整理しています。

緩和型では告知項目が限定される一方、保険料や契約当初の保障制限にも注意が必要です。
通院・注射の記録を手元に置き、申込先で実際に質問される内容と保障条件を確認してください。

入院・手術を勧められているときと、保障の注意点

「注射を続けている」と「手術を勧められている」は違う

注射を続けながら経過を見ている方もいれば、医師から将来的な手術について説明を受ける方もいます。
単に治療の選択肢として説明されたのか、実際に入院・手術を勧められているのかは、正確に把握しましょう。

緩和型医療保険では、まだ手術日が決まっていなくても「医師から勧められた」という事実が告知質問に関係する場合があります。
説明の意味が曖昧なときは主治医に確認し、回答を自己判断で書き換えないことが大切です。

手術を受けた後の通院歴や、術後の引受条件については、この先の別記事で詳しく扱います。
ここでは「現在、注射・通院中か」「入院・手術のすすめがあるか」を混同しない点が中心です。

加入できても、今の膝の治療が保障されるとは限らない

医療保険は、一般に約款で定めた入院・手術などを保障する仕組みです。
外来で注射を受けた事実だけで、入院給付金や手術給付金が支払われるものではありません。
通院に関する保障があっても、対象となる条件を確認する必要があります。

また、契約前から勧められていた入院・手術が支払対象外となる取扱いや、契約当初に給付額が減額される取扱いなどがあり得ます。引受条件や給付条件は契約によって異なるため、契約概要・注意喚起情報・約款を読んで確認してください。

過去の膝のけがや骨折など別の治療歴もある方は、骨折してから医療保険に入れる?治療中・通院中の告知と確認ポイントも参考になります。

すでに医療保険に加入している方は、新しい契約の成立と保障内容を確認するまで、現在の保険を安易に解約しないようにしましょう。

よくある質問

Q.ヒアルロン酸注射を毎月受けていても、緩和型医療保険に申し込めますか?

検討できる場合があります。ただし、注射の頻度だけで加入可否は決まりません。
現在の治療、入院・手術歴、医師からの入院・手術のすすめ、実際の告知質問を確認する必要があります。

Q.注射をやめれば、すぐ通常型に申し込めますか?

注射の中止だけで通常型の引受条件が変わるとは限りません。
過去の治療歴を問う質問や、現在の通院状況に関する質問もあります。医療上必要な治療を保険のために中止せず、申込先の条件を確認してください。

Q.膝へのヒアルロン酸注射は、医療保険の手術給付金の対象ですか?

外来でヒアルロン酸注射を受けたことだけで、手術給付金の対象になるとはいえません。
給付は契約上の対象となる診療行為や保障条件に基づいて判断されるため、実際の約款などで確認が必要です。

まとめ|注射・通院の記録を整理して、緩和型の申込条件を確認する

変形性膝関節症でヒアルロン酸注射や通院を続けている方でも、医療保険を検討できる場合があります。
ただし、注射の有無や回数だけで加入可否を判断することはできません。

まずは注射の開始時期、通院頻度、現在の治療、最終受診日、今後の入院・手術のすすめを整理しましょう。

通常型医療保険を確認し、希望する条件で難しい場合は引受基準緩和型医療保険を検討するという方法があります。
緩和型でも必ず加入できるわけではなく、保障条件や保険料の確認が必要です。

何より、医療保険の加入を優先して必要な治療をやめたり、告知内容を調整したりしないことが大切です。

通院頻度やヒアルロン酸注射の治療歴を整理したら、緩和型医療保険の申込先で告知項目を確認しましょう。
入院・手術のすすめの有無と、契約前からの治療に関する保障条件を照らし合わせて検討できます。

引受基準緩和型医療保険の申込先を確認する

情報基準日:2026年10月29日

この記事は一般的な情報提供を目的としています。保険の加入可否、告知内容、引受条件、給付条件、保険料は申込先や契約内容、個別の健康状態で異なります。実際の告知書、契約概要、注意喚起情報、約款をご確認ください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。