大人の溶連菌でも医療保険に入れる?治療中・完治後の告知と加入条件

ごあいさつ

結論|溶連菌の治療中・完治後でも加入可否は一律に決まりません

大人が溶連菌感染症で治療中、または治療を終えた後でも、医療保険の加入可否を病名だけで決めることはできません。
「治療中なら入れない」「完治したら普通に入れる」と一律に考えず、受診日、治療・投薬、現在の症状、再診予定、入院や合併症の有無を整理し、実際の告知質問に沿って確認します。
生命保険の引受けは、健康状態や傷病歴などをもとに個別に判断されます。

はじめに|子どもの感染をきっかけに医療保険が気になったら

今回の元記事は、学校で溶連菌感染症が広がったことをきっかけに、30代女性から医療保険について相談を受けた内容でした。
子どもに多い感染症として知られていますが、大人が感染することもあります。

ただ、病気になった直後に保険を検討すると、「今の治療も新しい保険で保障されるのか」「治療中でも申し込めるのか」「治ったら告知しなくてよいのか」が混ざりやすくなります。

この記事では、この3つを分けながら、医療保険の告知前に何を確認すればよいのかを順番に整理します。

個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。

大人の溶連菌感染症で先に確認したいこと

A群溶血性レンサ球菌感染症は、主に飛沫感染・接触感染で広がります。
咽頭炎では2~5日の潜伏期間の後、発熱、咽頭痛、倦怠感、嘔吐などがみられることがあります。
学童の咽頭炎がよく知られていますが、成人でも発症します。

「子どもの病気」と決めつけない

家庭や学校で集団感染がみられることがあり、大人にも感染する可能性があります。
一方、感染症としての治療と、医療保険へ加入するときの診査は別の話です。

まずは必要な診断・治療を優先してください。
保険へ申し込むために受診を控えたり、薬を自己判断で中断したりするのではなく、現在の治療状況をそのまま整理して告知へ進みます。

合併症がある場合は病名を一つにまとめない

A群溶血性レンサ球菌感染症では、急性糸球体腎炎やリウマチ熱などの合併症が生じることがあります。

合併症の診断、検査、通院、入院などがあった場合、告知では「溶連菌にかかった」とだけまとめず、実際の質問に該当する診断や治療をそれぞれ確認します。

「合併症があったから加入できない」と決めるのではなく、何を治療し、現在どのような状態なのかを正確に伝えることが先です。

治療が終わったかは「薬を飲み終えた」だけで判断しない

A群溶血性レンサ球菌感染症では、ペニシリン系やマクロライド系の抗菌薬による治療が行われます。

医療保険の申込み準備では、薬を飲み終えた日だけでなく、最終受診日、現在の症状、再診や検査の予定まで整理します。

自分では治ったと感じていても、医師から再診や検査を指示されている場合は、その事実も確認しておきましょう。

今回の溶連菌感染症をさかのぼって保障するためではなく、今後の病気やけがへの備えとして医療保険を考える方は、まず保障内容と告知項目を確認しましょう。

溶連菌の治療中・完治後に医療保険へ申し込むときの考え方

生命保険では、現在の健康状態や過去の傷病歴などをもとに、保険会社が申込みを引き受けるかどうか判断します。
傷病歴があっても契約できる場合、条件が付く場合、契約に至らない場合などがあります。

したがって、溶連菌感染症という病名だけから結果を決めることはできません。

治療中だから「加入できない」とは断定できない

現在の元記事では「溶連菌感染症を治療中の方は医療保険にはご加入いただけません」と断定していますが、これは一律のルールとして扱うべき表現ではありません。現在の健康状態や傷病歴などをもとに個別判断されるためです。

治療中でも、申込み自体が可能か、どのような診査結果になるかは、実際の商品や告知内容、その他の健康状態などによって異なります。

告知では、申込画面や告知書に書かれた質問へ事実を回答します。
病気が軽かったから省略する、反対に病名だけで最初から申込みを諦める、どちらも避けます。

告知の対象期間や一度だけの通院について迷う場合は、医療保険の告知はどこまで?通院歴の書き方を具体例で解説で、質問の読み方から確認できます。

完治後だから「普通に加入できる」とも断定できない

元記事には「治療終了後(完治後)は普通に加入できます」とありますが、これも一律には言えません。

治療終了後は、治療中とは健康状態が変わります。
ただし、「完治した翌日なら入れる」「○日たてば告知しなくてよい」といった全商品共通の基準があるわけではありません。

質問によっては、一定期間内の診察、検査、治療、投薬、入院・手術などを確認されます。
治療が終わっていても、その受診が質問の対象期間に入っていれば回答が必要になることがあります。

病名だけでなく治療状況によって告知内容が変わる考え方は、摂食障害でも医療保険に入れる?治療状況別の告知と選択肢でも具体的に整理しています。

告知前に7項目をそろえる

Web申込みを始める前に、次の7項目を手元の資料で確認しておくと入力しやすくなります。

  1. 最初に受診した日
  2. 診断名
  3. 治療内容と処方された薬
  4. 最終受診日
  5. 現在の症状
  6. 再診・検査の予定
  7. 入院や合併症の有無

診療明細、お薬手帳、薬の説明書、予約履歴などを使い、分からない日付や病名を推測で作らないようにします。

「治療が終わったように見えても、その後の結果や次回予定まで整理する」という考え方は、疾患は異なりますが、大腸ポリープ切除後でも医療保険に入れる?告知と申込時期でも詳しく確認できます。

受診日や投薬、現在の状態まで整理できた方は、実際の告知項目を見ながら、ご自身のケースで申込みを検討できるか確認してみましょう。

通常型と引受基準緩和型はどちらから確認する?

健康状態に不安があると、最初から引受基準緩和型医療保険を選びたくなるかもしれません。

ただし、生命保険文化センターは、健康状態に不安がある場合でも、まず通常の医療保険に契約できるか確認する考え方を示しています。引受基準緩和型は告知項目が限定される一方、通常型より保険料が割高になるのが一般的です。

まず通常型を確認する

溶連菌感染症の治療歴だけを理由に、通常型医療保険を自分で候補から外す必要はありません。

現在の治療状況、その他の傷病歴、告知質問を確認し、個別診査の結果を見ます。

傷病歴などによって、通常どおり契約できる場合、条件が付く場合、契約に至らない場合などが考えられます。

通常型が難しい場合に引受基準緩和型を確認する

引受基準緩和型医療保険には、通常型より健康状態に関する告知項目を限定した商品があります。
ただし、告知項目は生命保険会社によって異なり、通常型より保険料が割高になるのが一般的です。

「溶連菌なら緩和型」「治療中なら緩和型」と病名だけで決めず、通常型を確認したうえで、必要な場合に次の選択肢として検討すると、選択肢を早い段階で狭めにくくなります。

今回の溶連菌感染症は新しい契約でさかのぼって保障される?

これから新しく契約する医療保険について、今回すでに始まっている治療が保障されると考えて申込みを進めないようにしましょう。

保障開始時期や給付対象は契約内容によって異なります。
契約概要、注意喚起情報、約款などで、いつから・どのような場合が保障対象になるのかを確認します。

「今回の治療費を何とかしたい」と「今後の病気やけがへ備えたい」を分けると、これから加入する医療保険の役割を整理しやすくなります。

通常型から確認し、必要に応じて別の選択肢も検討したい方は、保障内容・告知項目・続けられる保険料を確認してから次へ進みましょう。

よくある質問

溶連菌感染症を治療中でも医療保険に申し込めますか?

一律には決まりません。現在の症状、治療・投薬、入院や合併症、その他の傷病歴、実際の告知質問などをもとに個別に診査されます。

完治したら告知しなくてもよいですか?

完治したことだけでは決まりません。告知書が一定期間内の診察・検査・治療・投薬などを尋ねている場合、その期間内の受診は治療終了後でも回答対象になることがあります。

合併症があった場合は医療保険に入れませんか?

合併症があったという事実だけで加入不可とは断定できません。
診断名、治療内容、入院の有無、現在の状態、今後の受診予定などを整理し、告知書の質問に沿って回答します。

最初から引受基準緩和型を選んだ方がよいですか?

必ずしもそうではありません。
通常型を検討できる場合もあるため、まず通常型を確認し、難しい場合に引受基準緩和型を次の選択肢として検討する方法があります。

まとめ|病名ではなく治療状況と告知質問を順番に確認する

大人が溶連菌感染症になった場合でも、「治療中だから医療保険に入れない」「完治したから普通に入れる」と一律には判断できません。

まず必要な治療を優先し、そのうえで初診日、診断名、治療・投薬、最終受診日、現在の症状、再診予定、入院・合併症を整理します。
申込みでは実際の告知質問へ正確に回答し、通常型を検討できるか確認して、必要なら引受基準緩和型も選択肢に入れます。

医療保険は、今回の病気を理由に慌てて入るものではありません。
今後どのような医療費へ備えたいのかを整理し、病名だけで諦めたり急いだりせず、確認できる事実から順番に進めてください。

本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。

参考資料・出典

国立健康危機管理研究機構「A群溶血性レンサ球菌感染症」
感染経路、潜伏期間、症状、合併症、検査、治療について確認。

厚生労働省「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎」
成人の臨床的特徴、合併症、検査について確認。

生命保険文化センター「健康上問題があると、生命保険は契約できないの?」
健康状態・傷病歴の告知、個別の引受け、特別条件、引受基準緩和型について確認。

生命保険文化センター「健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?」
引受基準緩和型医療保険の告知項目、保険料、通常型から確認する考え方を確認。



執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。