休職前に有給は使う?傷病手当金の待期と給与を分けて確認

- 1. 結論|有給を先に使うかは「残日数・休職開始日・待期3日」を分けて決める
- 2. はじめに
- 3. 休職前の有給は4つの順番で確認する
- 3.1. 1.有給休暇の残日数を確認する
- 3.2. 2.実際に仕事を休み始めた日を確認する
- 3.3. 3.会社の休職開始日を確認する
- 3.4. 4.加入している健康保険を確認する
- 4. 有給休暇を使った日も傷病手当金の待期3日に入る?
- 4.1. 待期は「3日休めばよい」ではなく「連続3日」
- 4.2. 待期3日と4日目以降は分けて考える
- 4.3. 有給を3日使えば必ず傷病手当金を受け取れるわけではない
- 5. 有給を先に使うか迷ったら「得か損か」ではなく日付で比べる
- 5.1. 有給を使う場合に確認すること
- 5.2. 有給を残す場合に確認すること
- 5.3. 会社には4つだけ聞けば整理しやすい
- 6. 給与側を整理した後は治療費を別に確認する
- 6.1. よくある質問
- 6.1.1. 有給休暇を使った日は傷病手当金の待期3日に入りますか?
- 6.1.2. 土日を挟んだ場合も待期3日になりますか?
- 6.1.3. 有給休暇を全部使ってから休職した方が得ですか?
- 7. まとめ
- 7.1. 参考資料・出典
結論|有給を先に使うかは「残日数・休職開始日・待期3日」を分けて決める
病気やけがで仕事を休むとき、「有給を全部使ってから休職した方が得なのでは」と考えることがあります。
ただし、有給を使うかどうかを金額だけで決めると、休職開始日や傷病手当金の待期との関係が分かりにくくなります。
最初に、有給休暇の残日数、実際に仕事を休み始める日、会社の休職開始日、傷病手当金の待期3日を同じカレンダーに並べましょう。
協会けんぽでは、傷病手当金の待期となる連続3日間には、有給休暇や土日・祝日などの公休日も含まれると案内しています。
一方、有給休暇を取得して給与が支払われる日と、待期完成後に傷病手当金の支給対象となる日は分けて考える必要があります。
「有給を使えば得」「使わない方が得」と一律に決めるのではなく、日付と会社のルールを確認することが出発点です。
はじめに
休職を考え始めたとき、有給休暇が残っていると迷いやすいところです。
「有給を使い切ってから休職するのか」
「有給を残して休職に入るのか」
「有給を使ったら傷病手当金の待期は始まらないのか」
この3つが重なると、何から調べればよいか分かりにくくなります。
ここで一度、話を分けます。
有給休暇は勤務先から支払われる給与側の話です。
傷病手当金の待期は健康保険側の話です。
さらに、いつから休職として扱われるかは勤務先の休職制度を確認する話です。
似ているようで、確認先がそれぞれ違います。
この記事では、有給を使うか迷っている段階で必要な確認だけを、日付順に整理します。
傷病手当金の支給額や支給期間、申請方法を詳しく知りたい場合は、別に確認した方が混乱しにくくなります。
休職前の有給は4つの順番で確認する
有給休暇を何日使うかを先に決める必要はありません。
まず、次の4つを確認してください。
- 有給休暇の残日数
- 実際に仕事を休み始める日
- 会社で休職扱いになる日
- 傷病手当金の待期が始まる日
この4つが分かれば、「有給をいつ使うか」を具体的に考えやすくなります。
1.有給休暇の残日数を確認する
最初に、現在使える有給休暇が何日残っているか確認します。
給与明細、勤怠システム、会社から配布される休暇管理資料などで確認できる場合があります。
画面上の数字だけでは分からない場合は、人事・総務へ確認します。
ここではまだ「全部使う」「残す」と決める必要はありません。
まず使える日数を確定させることが目的です。
2.実際に仕事を休み始めた日を確認する
次に、病気やけがの療養のため実際に仕事を休み始める日を確認します。
傷病手当金の待期を考えるときは、この日付が重要になります。
「会社が正式に休職と呼び始めた日」だけを見るのではなく、療養のため仕事に就けず、実際に休み始めた日を整理します。
医療機関を受診した日と休み始めた日が同じとは限りません。
日付を推測せず、勤怠記録やカレンダーで確認しましょう。
3.会社の休職開始日を確認する
有給休暇を取得している期間を休職開始前として扱うのか、別の社内制度があるのかは勤務先によって確認が必要です。
就業規則や休職規程を見て、いつから休職扱いになるのか確認します。
ここで「有給の最終日の翌日から自動的に休職」と思い込まないことが大切です。
勤務先によって手続きや開始日の考え方が異なるためです。
人事・総務へは、「有給休暇を取得する場合、会社上の休職開始日は何日になりますか」と日付で確認すると分かりやすくなります。
4.加入している健康保険を確認する
傷病手当金は勤務先の休職制度とは別に、加入している健康保険の制度として確認します。
協会けんぽでは、業務外の病気やけがで仕事に就けず、連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかったことなどを支給条件として示しています。
勤務先が協会けんぽではなく健康保険組合などの場合は、自分の加入先で確認してください。
傷病手当金の金額・支給期間・申請方法まで確認したい方は、傷病手当金はいくら?支給額・期間・申請方法をわかりやすく解説で全体を整理できます。
有給休暇を使った日も傷病手当金の待期3日に入る?
ここが最も間違えやすいところです。
協会けんぽでは、傷病手当金の待期となる最初の3日間について、有給休暇や土日・祝日などの公休日も含めることができると案内しています。
給与が支払われているかどうかだけで、待期に入るかが決まるわけではありません。
ただし、待期の3日間は連続している必要があります。
待期は「3日休めばよい」ではなく「連続3日」
たとえば、療養のため月曜日から仕事に就けず、月曜日・火曜日・水曜日を有給休暇として休んだとします。
この3日間について傷病手当金の要件上の待期が成立すれば、その後の4日目以降について支給対象となる可能性があります。
一方、2日休んだ後に出勤し、その後また休んだ場合は、最初の2日と後の休みを単純に足して3日にする考え方ではありません。
カレンダーには「有給」「公休」「出勤」「欠勤・休職」などを日ごとに書いておくと確認しやすくなります。

待期3日と4日目以降は分けて考える
待期の3日間は、傷病手当金が支給される日ではありません。
待期が完成した後の4日目以降が、他の支給条件も満たした場合に傷病手当金の支給対象となります。
ここで、有給休暇を使った日と傷病手当金の支給対象日を同じものとして考えないことがポイントです。
有給休暇などによって給与が支払われる場合の傷病手当金との調整は、実際の給与支払い状況を加入している健康保険へ確認してください。
有給を3日使えば必ず傷病手当金を受け取れるわけではない
「最初の3日を有給にすれば、その翌日から必ず傷病手当金が出る」と決めつけないようにします。
傷病手当金には、療養のため仕事に就くことができないことなど、待期以外の条件もあります。
待期3日だけを切り取って受給可否を判断するのではなく、加入している健康保険で確認しましょう。
有給を先に使うか迷ったら「得か損か」ではなく日付で比べる
有給休暇が残っていると、「全部使ってから休職に入った方がお金は多く残るのでは」と考えたくなります。
ただ、実際には有給残日数だけでは決められません。
私なら、次の順番で確認します。
有給を使う場合に確認すること
まず、有給を取得する予定の日をカレンダーへ書きます。
次に、その日が療養のため仕事に就けない期間とどう重なるかを確認します。
さらに、会社の休職開始日がいつになるかを人事・総務へ確認します。
最後に、加入している健康保険で待期3日の考え方を確認します。
この順番なら、「有給を使ったから待期が後ろへずれるはず」といった思い込みを避けやすくなります。
有給を残す場合に確認すること
有給を全部使わずに休職へ進むことを考える場合も、会社の休職開始ルールを確認します。
そのうえで、実際に給与がどう扱われるかを勤務先へ確認します。
有給を残すこと自体が必ず有利になるわけではありません。
反対に、全部使うことが必ず有利になるわけでもありません。
休職期間がどの程度になるかも最初から確定できないことがあるため、日数だけを見て答えを出さない方が整理しやすくなります。
会社には4つだけ聞けば整理しやすい
体調が優れないときに、会社へ何度も問い合わせるのは負担になります。
最初に次の4点をまとめて確認すると、行き来を減らしやすくなります。
- 現在の有給休暇の残日数は何日か
- 有給休暇を取得する場合の最終日はいつか
- 会社上の休職開始日はいつか
- 休職前後の給与はどの期間まで支払われるか
傷病手当金の待期については、会社の説明だけで完結させず、加入している健康保険の案内も確認します。
病名を限定せず給与の停止時期や支給日を整理したい場合は、休職中の給与についての記事で会社から入るお金を先に確認すると分かりやすくなります。
適応障害で給与・傷病手当金・生活費まで広く確認したい場合は、適応障害で休職すると給料は?傷病手当金・申請・生活費を解説も参考になります。
給与側を整理した後は治療費を別に確認する
有給休暇や傷病手当金は、働けない期間の収入側を確認する話です。
一方、病院へ支払う治療費は別に整理します。
休職前後に通院、入院、手術などが続く場合は、公的医療保険や高額療養費などを確認したうえで、現在加入している医療保険の契約内容を確認します。
ここで「休職による収入減を医療保険で埋める」とは考えません。
医療保険は契約内容に応じた入院や手術などの保障を確認するものであり、有給休暇の減少や休職中の給与減少とは分けて考えます。
治療費の支払い時期まで整理したい方は、精密検査から治療へ|高額療養費と医療・がん保険の支払い時期を整理も確認してください。
有給、会社からの給与、公的制度まで整理できたら、次は治療費側に不足があるかだけを確認すれば十分です。
収入側とは別に治療費への備えを確認したい場合は、公的医療制度と現在の保障を整理したうえで、必要な範囲だけ医療保険を確認できます。
よくある質問
有給休暇を使った日は傷病手当金の待期3日に入りますか?
協会けんぽでは、有給休暇を取得した日も待期3日に含めることができると案内しています。
ただし、療養のため仕事に就けないことなど、傷病手当金の他の条件も確認する必要があります。
土日を挟んだ場合も待期3日になりますか?
協会けんぽでは、土日・祝日などの公休日も待期に含めることができます。
ただし、待期は連続した3日間であることが必要です。
有給休暇を全部使ってから休職した方が得ですか?
一律には判断できません。
有給残日数、休職開始日、給与の扱い、療養期間、待期の成立状況を分けて確認してください。
「全部使うか、全部残すか」の二択ではなく、自分の勤務先の制度と日付を確認して決めることが大切です。
まとめ
休職前の有給休暇をどうするか迷ったら、最初から「使った方が得か」を計算する必要はありません。
まず、有給残日数を確認します。
次に、実際に仕事を休み始める日と会社の休職開始日を確認します。
そのうえで、加入している健康保険の傷病手当金について、待期3日がどのように成立するかを確認します。
協会けんぽでは、有給休暇や土日・祝日などの公休日も待期に含めることができます。
ただし、待期の3日間と、4日目以降の傷病手当金の支給対象日は別です。
有給を使うかどうかは、「残日数→休み始める日→休職開始日→待期3日」の順番で並べると判断しやすくなります。
体調がつらい時期に、制度を全部一度に理解しようとしなくても大丈夫です。
まずカレンダーに4つの日付を書き出し、分からないところだけ会社と加入している健康保険へ確認しましょう。
給与側の整理ができた後、治療費への備えが気になる場合だけ、公的医療制度と現在の医療保障を別に確認すれば整理しやすくなります。
休職中の収入とは分けて治療費への備えを確認したい場合は、公的制度と現在の保障を確認したうえで医療保険を検討できます。
個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。
※本記事は2026年9月7日時点で確認できる公的制度・公開情報等をもとに作成しています。
本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。
参考資料・出典
執筆者プロフィール

-
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。
最新の投稿
医療保険2026年9月15日大腿骨頭壊死の初期症状は?股関節痛・膝痛と受診前の確認順
定期保険2026年9月14日子どもがいる家庭の貯金はいくら必要?生活防衛資金と教育費を分ける
医療保険2026年9月14日入院したら貯金はいくら減る?高額療養費・食事代・保険外費用を順番に確認
がん保険2026年9月13日がんになったら貯金はいくら必要?治療費・通院費・生活費を分けて考える
