住宅ローンを借り換えると団信はどうなる?保障終了・再加入の確認順

目次

結論|借り換えでは団信も「新しい契約」として確認する

住宅ローンを借り換える場合、現在の団信がそのまま新しい住宅ローンへ引き継がれるとは限りません。

借り換えは、新しい住宅ローンを契約して、現在の住宅ローンを完済する手続きです。

現在のローンに付帯している団信は、債務関係が終了すると保障も終了する仕組みがあります。

新しい住宅ローンでは、改めて団信の加入条件や保障内容を確認します。

ここで大切なのは、金利差だけで借り換えを決めないことです。

「現在のローンと団信」

「借り換え後のローンと団信」

この2組を並べてから、家族に必要な死亡保障まで確認しましょう。

はじめに|「今の団信もそのまま続く?」と思ったら

住宅ローンの金利を見直していると、借り換えを考えることがあります。

返済額が減る可能性があるなら、魅力的に感じるでしょう。

ただ、金利や返済額だけを見ていると、一つ見落としやすいものがあります。

団体信用生命保険です。

現在の住宅ローンですでに団信へ加入していると、

「借り換えても、この団信はそのまま続くのでは?」

と思うかもしれません。

ところが、借り換えは現在の住宅ローンの契約条件だけを変更する手続きとは限りません。

新しい住宅ローンを組み、現在の住宅ローンを返済する形です。

そのため、団信も借り換え前後で分けて確認する必要があります。

難しく考えなくても大丈夫です。

現在、新規、家族。

この3段階で確認していきましょう。

住宅ローンを借り換えると今の団信はどうなる?

まず、借り換えの仕組みを確認します。

住宅ローンの借り換えでは、新しい住宅ローンを使って現在の住宅ローンを一括返済する形があります。

現在の住宅ローンが完済されれば、その債務はなくなります。

団信は住宅ローン債務と結びついた保障です。

そのため、現在のローンが終了した後まで、同じ団信が独立して続くとは限りません。

全額返済で団信の保障が終了する仕組みがある

住宅金融支援機構の団信では、最終返済日前に全額繰上返済などで債権債務関係が消滅した場合、団信の保障が終了するとされています。

民間金融機関の住宅ローンでも、実際の取扱いは契約内容を確認する必要があります。

大切なのは、

「昔加入できた団信が、新しい住宅ローンにも自動的に移る」

と考えないことです。

現在の団信の終了条件を確認します。

そのうえで、新しい住宅ローン側の団信を確認します。

借り換え後は新しい団信の加入条件を確認する

新しい住宅ローンを申し込むときは、その金融機関が指定する団信への加入が条件となる場合があります。

ここでは、現在の団信ではなく、新しい住宅ローン側の条件を見ます。

健康状態などの告知を求められる場合がある

団信の申込みでは、健康状態などについて告知が必要になる場合があります。

住宅ローンを最初に借りたときから何年も経っていれば、健康状態が変わっていることもあるでしょう。

ここで注意したいのは、

「今の団信に入れているから、新しい団信にも必ず入れる」

とはいえないことです。

反対に、健康上の事情があるだけで、

「借り換えはできない」

とも一律には断定できません。

団信への加入条件や住宅ローンの取扱いは金融機関などによって異なります。

新しい住宅ローンを申し込む前に確認してください。

現在の団信は先に解約しない

借り換えを検討している段階で、現在の団信だけを先に終了させる必要はありません。

まず新しい住宅ローンの審査を進めます。

団信についても必要な手続きを行います。

新しい住宅ローンが実行され、現在のローンが完済される流れを確認します。

現在の保障と新しい保障の間に想定外の空白が生じないよう、実行日や保障開始時期も確認しておきましょう。

借り換え前と借り換え後を1枚の表で比較する

団信を含めた借り換えは、一枚の表にすると分かりやすくなります。

確認項目現在借り換え後
住宅ローン残高確認新借入額を確認
金利確認確認
毎月返済額確認試算
団信の種類確認確認
団信の支払事由確認確認
疾病保障確認確認
団信の保障開始・終了確認確認
家族に残るローン確認確認

ポイントは、金利の行だけで判断しないことです。

毎月返済額が下がっても、保障内容が変わることがあります。

反対に、借り換えによって現在とは異なる疾病保障などを選べる場合もあります。

どちらがよいかは、契約内容と家計によって変わります。

金利が下がっても「保障がどう変わるか」を確認する

住宅ローン借り換えでは、金利差に目が向きやすくなります。

もちろん、返済負担は重要です。

ただし、借り換え効果は金利だけではありません。

団信も家計に大きく関係します。

現在より保障範囲が変わる場合がある

現在の団信が死亡・所定の障害などを中心とした保障だとします。

借り換え先では、別の疾病保障付き団信を選択できる場合があります。

反対に、現在持っている保障と同じものを選べないこともあります。

名称だけを比較せず、支払事由を確認してください。

「3大疾病」

「がん保障」

などと書かれていても、具体的な支払条件は契約によって異なります。

追加負担も含めて見る

疾病保障付き団信などでは、住宅ローン金利へ一定の上乗せが行われるものもあります。

その場合は、保障内容だけを見るのではありません。

毎月返済額への影響も確認します。

借り換えによって減る利息。

借り換えに必要な諸費用。

団信などによって変わる負担。

これらを一緒に見ます。

ただし、銀行ごとの金利ランキングだけで借り換え先を決める必要はありません。

この段階では、「保障を変えることで家計がどう変わるか」を確認することが大切です。

借り換え前に机へ置きたい5つの資料

借り換えを考えたら、まず次の資料を用意します。

現在の住宅ローン返済予定表

現在の残高と残りの返済期間を確認します。

現在の団信資料

保障内容と終了条件を確認します。

借り換え先の試算表

借入額、金利、返済期間、毎月返済額を確認します。

新しい団信の契約概要等

加入条件、保障内容、支払事由を確認します。

現在の生命保険証券

借り換え後に家族の死亡保障がどうなるか確認します。

この5つを並べると、

「金利は下がったけれど保障はどうなった?」

という見落としを防ぎやすくなります。

団信が変わったら生命保険も確認し直す

借り換え後の団信が確定したら、そこで終わりではありません。

次に見るのは家族のお金です。

団信が守るのは、契約上の支払事由に該当したときの住宅ローン債務です。

家族の生活費や教育費まで、自動的に準備するものではありません。

借り換え前と必要保障額が変わることがある

たとえば、借り換えによって団信の保障内容が変わったとします。

その結果、万一の際に弁済される住宅ローンの範囲も変わる可能性があります。

すると、家族に残る支出の計算も変わります。

ここで現在の生命保険をそのままにするかを確認します。

団信があれば生命保険はいらない?40代夫婦の必要保障額と見直し方では、団信後に残る生活費・教育費から死亡保障を考える順番を整理しています。

必要な保障期間を確認するときは、定期保険とは?掛け捨ての特徴と必要な保障期間の決め方も参考になります。

「住宅ローン残高=生命保険額」ではない

借り換え後の住宅ローンが3,000万円だからといって、死亡保険も3,000万円必要という意味ではありません。

団信で弁済される住宅ローンがあります。

一方で、家族には生活費があります。

教育費もあります。

遺族年金などの公的保障もあります。

配偶者の収入も考えます。

貯蓄も確認します。

生命保険文化センターでは、万一時に必要な保障額について、支出見込額から収入見込額を差し引いて考える方法を示しています。

借り換え後の団信を確定してから、この不足額を計算します。

不足がなければ、新しい死亡保障を追加する必要がない場合もあります。

不足する金額と期間が残る場合に、定期保険などの死亡保障を確認する順番です。

借り換え後の団信で住宅ローンがどこまで弁済されるか確認し、その後も家族の生活費・教育費に不足が残る場合だけ死亡保障を確認してください。

借り換え時に確認する8項目

借り換えを進める前に、次の順番で確認してください。

1.現在の住宅ローン残高

返済予定表などで確認します。

2.現在の団信

支払事由と保障終了条件を確認します。

3.借り換え後の借入額

諸費用も含めて資金計画を確認します。

4.新しい団信への加入条件

申込条件や告知内容を確認します。

5.新しい団信の保障内容

死亡保障や疾病保障などを確認します。

6.保障開始の時期

新しい住宅ローンの実行との関係を確認します。

7.借り換えによる返済総額の変化

金利だけでなく費用も含めて比較します。

8.万一後の家族の不足額

団信で弁済される債務を除いて計算します。

この順番なら、金利だけで借り換えを決めにくくなります。

休職中や収入減少中なら借り換えとは別に整理する

住宅ローンの返済が苦しくなったため、借り換えを考える人もいるでしょう。

ただし、現在すでに休職している場合などは、単純な金利比較とは別の確認が必要です。

まず現在の返済状況を確認します。

金融機関へ相談する選択肢もあります。

団信は現在の返済不足を補う仕組みではありません。

休職中に住宅ローンはどうする?返済・金融機関への相談・団信を確認では、収入が減った後の確認順を整理しています。

借り換えは将来の返済条件や保障を組み直す検討です。

現在の資金不足への対応とは分けて考えてください。

よくある質問

住宅ローンを借り換えたら今の団信はそのまま使えますか?

一般に、借り換えでは新しい住宅ローンを契約し、現在の住宅ローンを完済します。

現在の債務が終了すれば、それに付帯する団信も終了する仕組みがあります。

実際の終了条件は現在の契約資料で確認してください。

借り換え先で団信へ入り直す必要がありますか?

新しい住宅ローンでは、その住宅ローンに対応する団信の加入条件を改めて確認する場合があります。

金融機関ごとに条件が異なるため、借り換え先へ確認してください。

今の団信に入れていれば、新しい団信にも必ず入れますか?

必ずとはいえません。

新しい団信では、その時点の申込条件や告知内容などによって確認される場合があります。

加入可否は個別に確認してください。

健康状態が変わっていたら借り換えできませんか?

健康状態だけで一律に借り換えの可否を断定することはできません。

団信への加入条件や住宅ローンの利用条件は金融機関などによって異なります。

新しい住宅ローンと団信の双方を確認してください。

借り換えたら生命保険も見直した方がいいですか?

団信の保障内容が変わる場合は、確認する意味があります。

借り換え後に住宅ローンがどこまで弁済されるかを確認し、その後も家族に残る生活費や教育費から死亡保障を考えます。

まとめ|借り換えは「ローン+団信+家族保障」で比較する

住宅ローンの借り換えでは、金利と返済額だけを見ないことが大切です。

まず現在の住宅ローンを確認します。

次に、現在の団信を確認します。

借り換えによって現在のローンを完済すれば、現在の団信も終了する仕組みがあります。

そのため、新しい住宅ローン側で団信を改めて確認します。

加入条件があります。

告知が必要になる場合もあります。

保障内容も現在と同じとは限りません。

支払事由も確認します。

保障開始時期も確認します。

そのうえで、借り換え前後の返済額を比較します。

最後に家族の死亡保障を確認します。

団信で弁済される住宅ローンと、家族に残る生活費・教育費は別です。

公的保障、配偶者収入、貯蓄も差し引きます。

それでも不足が残る場合だけ、必要な死亡保障を考えます。

借り換えは「金利を変える手続き」だけではありません。

住宅ローンと団信をセットで組み直す場面として確認すると、判断しやすくなります。

借り換え後の住宅ローンと団信を確定し、万一後の家族生活費・教育費に不足が残る場合だけ必要な死亡保障を確認してください。

個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。

本記事は※2026年9月9日時点で確認できる公的制度・公開情報等をもとに作成・更新しています。

本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。