うつ病治療中でも保険に入れる?緩和型・がん保険の選び方

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結論|提案の中心は緩和型医療保険とがん保険です

うつ病で現在も通院・服薬中の場合、当社の取扱い商品とこれまでの相談実務では、通常型医療保険への加入が難しいケースが多くあります。

そのため、実際のご提案は、主に次の2つが中心になります。

  1. 病気やケガによる入院・手術へ備える引受基準緩和型医療保険
  2. がんの診断や治療へ備えるがん保険

ただし、引受基準緩和型医療保険やがん保険であっても、誰でも無条件で加入できるわけではありません。

診断時期、通院、服薬、入院、休職・休学などについて、申込画面の質問へ事実を正確に回答し、保険会社が個別に診査します。

現在の健康状態や過去の傷病歴によっては契約できない場合がある一方、特別条件付きや引受基準緩和型を検討できる場合もあります。

はじめに|うつ病の薬を飲んでいても保険に入れますか?

保険代理店には、次のようなご相談が寄せられます。

「うつ病で心療内科に通っています。医療保険へ入れますか」

「薬を飲んでいることを告知したら、断られてしまいますか」

「以前休職したことがあります。どこまで書けばよいのでしょうか」

「通常型が難しいなら、ほかにどんな保険がありますか」

うつ病の状態や治療経過は一人ひとり異なります。保険へ加入したいという理由で通院をやめたり、薬を減らしたり、治療終了を急いだりしてはいけません。

メンタルヘルス不調の治療では、専門家による治療と心身の休養が重要です。休職や復職についても自分だけで判断せず、主治医や勤務先と相談しながら進める必要があります。

この記事では、うつ病で治療中の方が保険を検討するときに、告知前に整理する内容と、引受基準緩和型医療保険・がん保険の選び方を解説します。

個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。


うつ病治療中は通常型医療保険が難しいケースが多い

通院・服薬中は通常型の診査が厳しくなりやすい

当社の取扱い範囲では、現在もうつ病で通院や服薬を続けている場合、通常型医療保険の引受けが難しいケースが多くあります。

保険会社は病名だけではなく、次のような内容を確認します。

  • うつ病と診断された時期
  • 現在の症状
  • 通院を始めた時期
  • 通院頻度
  • 薬の名称や服用期間
  • 薬の変更や増減
  • 入院歴
  • 休職・休学歴
  • 現在の勤務・就学状況
  • ほかの病気や治療状況

「症状が落ち着いているから告知しなくてもよい」「薬が少量だから治療には当たらない」と自己判断しないことが大切です。

一方で、うつ病の診断を受けたことだけで、すべての保険を検討できないと決めつける必要もありません。

心の病気全般と医療保険の関係を確認したい方は、心の病気と医療保険|通常型が難しい理由と緩和型の考え方も参考にしてください。

治療が終了していても告知期間を確認する

現在は通院や服薬が終了している場合でも、告知書が一定期間内の診察、治療、投薬について質問していれば回答が必要です。

確認する内容は次のとおりです。

  • 最後に受診した時期
  • 最後に薬を服用した時期
  • 医師から治療終了と説明されたか
  • 経過観察や再受診の指示があるか
  • 治療終了後に症状が再び出ていないか
  • 治療期間中に入院や休職をしたか

「治療が終わってから何年たてば通常型へ入れる」と一律には決められません。
商品ごとに質問内容と対象期間が異なるためです。

治療中だけでなく、治療終了後の加入可能性も調べたい方は、うつ病でも医療保険に加入するためのポイント|治療中・治療終了後の違いをご確認ください。

保険のために薬を中止しない

申込みを理由に、薬を自己判断で減らしたり中止したりしてはいけません。

申込時点で薬を飲んでいなくても、告知書の対象期間内に治療や投薬を受けていれば、回答が必要になる場合があります。

現在の治療を優先し、その状態のまま検討できる保険を確認することが基本です。

現在の通院や服薬を続けたまま、検討できる緩和型医療保険の告知項目と保障内容を確認しましょう。


引受基準緩和型医療保険という選択肢

告知項目を限定した医療保険

引受基準緩和型医療保険は、通常型医療保険よりも、健康状態に関する告知項目を限定した保険です。

所定の告知項目へ該当しなければ、持病がある方や通院・服薬中の方も契約を検討できる場合があります。
通常型より契約しやすい一方、誰でも加入できる保険ではありません。

質問内容や対象期間は商品によって異なります。

「うつ病という病名が質問に書かれていないから大丈夫」と考えるのではなく、入院・手術の予定、過去の入院歴、指定された病気の治療歴など、表示された質問を一つずつ確認します。

緩和型で確認される可能性がある内容

引受基準緩和型医療保険では、商品によって次のような内容を質問される場合があります。

  • 最近、医師から入院や手術を勧められたか
  • 一定期間内に入院や手術を受けたか
  • 一定期間内に指定された病気で診察・治療・投薬を受けたか
  • 現在入院中ではないか
  • がんや特定の病気の治療歴があるか

実際の質問内容や期間は、保険会社・商品ごとに確認してください。

以前の記事にあった「3項目に該当しなければ問題なく加入可能」という断定はできません。
すべての質問へ該当しなくても、年齢、職業、ほかの告知内容などを含め、保険会社が個別に診査します。

保険料と保障内容を一緒に確認する

引受基準緩和型医療保険は、通常型より保険料が高くなる傾向があります。

加入しやすさだけで決めず、次の内容を確認します。

持病がある方が緩和型医療保険を具体的に選ぶ段階では、告知だけでなく、契約前からの病気が悪化した場合の扱いや支払限度も確認します。
パーキンソン病で検討している方は、パーキンソン病で緩和型医療保険を選ぶときの保障確認で、契約概要・注意喚起情報・約款を見る順番を整理しています。

  • 入院給付金の日額
  • 日帰り入院の取扱い
  • 入院一時金
  • 手術給付金の支払条件
  • 精神疾患による入院の取扱い
  • 1回の入院に対する支払限度日数
  • 通算の支払限度日数
  • 先進医療に関する保障
  • 契約直後の保障削減の有無
  • 保険料が更新時に変わるか
  • 将来も無理なく払い続けられるか

保険料を抑えるために入院給付金を必要以上に大きくせず、入院一時金や手術保障など、必要な部分へ優先順位を付ける方法もあります。

現在の保険を先に解約しない

すでに医療保険へ加入している場合は、新しい保険の診査結果や保障開始日を確認する前に、現在の保険を解約しないでください。

新しい保険へ申し込んでも、希望どおりに契約できるとは限りません。

新しい契約が成立し、保障内容、特別条件、保障開始日を確認してから、現在の契約を残すか見直すか判断します。


がん保険も提案の中心になります

医療保険とは役割が異なる

当社の取扱い商品と相談実務では、うつ病で通常型医療保険が難しい方でも、告知内容によっては、がん保険を検討できるケースがあります。

ただし、うつ病の治療中なら無条件でがん保険へ加入できるという意味ではありません。

がん保険にも健康状態、検査、入院・手術歴などに関する告知があります。

がん保険の告知では、現在の治療状況だけでなく、質問ごとに対象となる期間を確認することが大切です。「がん保険の告知内容は?何年前までの通院・検査を伝える?」で、通院・検査・健康診断を含めた告知の確認方法を解説しています。

質問された内容へ正確に回答し、最終的な加入可否は保険会社が判断します。

がん保険で確認したい保障

がん保険を検討するときは、次の内容を確認します。

  • がんと診断されたときの一時金
  • 一時金を複数回受け取るための条件
  • 上皮内がんの取扱い
  • 手術、放射線治療、抗がん剤治療などの保障
  • 通院治療への保障
  • 再発・転移時の取扱い
  • がんになった後の保険料払込免除
  • 保障が始まるまでの期間
  • 給付金の支払条件

がん保険は、がんの診断や治療に対象を絞った保険です。病気やケガによる入院・手術全般へ備える引受基準緩和型医療保険とは役割が異なります。

緩和型医療保険とがん保険を分けて考える

うつ病で治療中の方への保険提案は、次のように分けると整理しやすくなります。

備えたい内容主な保険
病気やケガによる入院・手術引受基準緩和型医療保険
入院時のまとまった出費緩和型医療保険の入院一時金
がんの診断や治療がん保険
がん治療中の家計負担がん診断一時金など
仕事を休んだ場合の生活費貯蓄・勤務先制度・公的制度なども確認

医療保険だけで、休職中の収入減をすべて補えるわけではありません。

入院・手術への備え、がんへの備え、働けない期間の生活費を分けて考え、保険へ詰め込みすぎないことが大切です。

入院・手術への備えと、がん治療への備えは役割が異なります。緩和型医療保険とがん保険を分けて確認しましょう。


告知前に整理する通院・服薬・休職歴

診断と治療の状況

まず、次の内容を整理します。

  • 医師から伝えられた診断名
  • 初めて受診した時期
  • 現在の通院頻度
  • 最近の受診日
  • 次回の受診予定
  • 現在の症状
  • 医師から説明された治療方針
  • 治療終了または経過観察と説明された時期

診断名が「うつ病」ではなく、「うつ状態」「適応障害」などの場合は、自己判断でうつ病へ言い換えず、医師から伝えられた名称を確認します。

服薬の状況

お薬手帳や薬局の明細で、次の内容を確認します。

  • 薬の名称
  • 服用を始めた時期
  • 現在も服用しているか
  • 薬の増減や変更
  • 睡眠薬、抗不安薬などの服用
  • 自己判断による中断がないか

薬の商品名が分からない場合は、「心の薬」「睡眠の薬」と曖昧に書かず、お薬手帳で確認してください。

入院・休職・休学の状況

入院、休職、休学を経験している場合は、次の情報を整理します。

  • 入院した時期と期間
  • 休職・休学を始めた時期
  • 休職・休学していた期間
  • 復職・復学した時期
  • 現在の勤務日数や勤務時間
  • 時短勤務や業務上の配慮
  • 医師から就業について受けている指示

休職や休学について質問されている場合は、「今は働いているから過去の休職は不要」と判断せず、対象期間を確認して回答します。

会社員として働きながら通院している40代女性の具体例は、40代女性のうつ病と医療保険|通院・休職歴がある場合の相談事例をご確認ください。

パート勤務で、保険料や収入減も含めて検討したい方は、40代パート女性のうつ病でも入れる医療保険の選び方も参考になります。

告知書の質問へ回答する

医療保険の告知は、自分で重要だと思った病歴だけを自由に書く手続きではありません。

告知書やWeb申込画面で質問された内容について、対象期間を確認し、事実をありのまま回答します。

通院歴の基本的な書き方は、医療保険の告知はどこまで?通院歴の書き方を具体例で解説をご確認ください。

担当者へ口頭で伝えるだけでは告知にならない

保険代理店の担当者や営業職員へ、うつ病や服薬について口頭で話しただけでは、正式に告知したことにはなりません。

告知書、Web申込画面、保険会社が指定した医師の質問など、所定の方法で回答する必要があります。

入力後は、診断時期、通院、服薬、入院、休職・休学について、回答漏れがないか確認してください。


状況別に考える保険の選び方

現在も通院・服薬中

当社の取扱い範囲では、通常型医療保険は難しいケースが多いため、引受基準緩和型医療保険とがん保険を中心に確認します。

まず告知項目を確認し、その後に保障内容と保険料を比較します。

加入できるかだけで判断せず、精神疾患による入院の取扱いや、実際に必要な保障が含まれているかまで確認してください。

診断直後または薬を変更した直後

診断されたばかりの時期や、薬を増量・変更した直後は、治療方針や症状の経過が定まっていない場合があります。

保険申込みよりも治療を優先し、主治医の指示に沿って通院・服薬を続けてください。

申込みを検討するときは、診断日、薬の変更時期、現在の症状、次回受診予定を整理します。

休職中または復職準備中

休職中の場合は、保険だけでなく、勤務先の休職制度、休職中の収入、貯蓄、毎月の生活費も確認します。

焦って復職すると症状が再び悪化し、結果として働けない期間が長くなることもあるため、復職時期は主治医や勤務先と相談して判断することが大切です。

医療保険は、入院・手術などに備えるものです。休職による収入減のすべてを補う保険ではありません。

治療が終了している

治療が終了していても、告知書が一定期間内の治療や投薬を質問している場合は回答が必要です。

最後の受診日、最後の服薬日、治療終了後の症状、入院・休職歴を確認し、現在の状態で通常型を検討できるか、緩和型が中心になるかを個別に判断します。


保険を選ぶときの3つの注意点

加入できることだけで選ばない

持病がある方は、「加入できる保険が見つかった」という点だけで契約を決めてしまいがちです。

しかし、次の内容まで確認する必要があります。

  • 精神疾患による入院が保障対象か
  • 入院給付金の支払日数
  • 日帰り入院の取扱い
  • 手術給付金の支払条件
  • 契約直後の保障削減
  • がん診断一時金の支払回数
  • 保険料をいつまで支払うか
  • 更新時に保険料が上がるか

保険料を上げすぎない

引受基準緩和型医療保険は、通常型より保険料が高くなる傾向があります。

緩和型医療保険とがん保険の両方を手厚くすると、毎月の負担が大きくなります。

まず必要最低限の保障を決め、家計に余裕があれば追加する順番が現実的です。

治療と生活を優先する

保険は、治療を中断してまで加入するものではありません。

調子が悪い日に無理をして申込手続きを進める必要もありません。お薬手帳や必要書類を準備し、体調のよいときに、自分のペースで内容を確認してください。


よくある質問

うつ病の薬を飲んでいても医療保険へ申し込めますか?

申込みができるかは、保険会社、商品、治療状況などによって異なります。

当社の取扱い範囲では、通院・服薬中は通常型医療保険が難しいケースが多いため、引受基準緩和型医療保険を中心に検討します。

緩和型医療保険なら必ず加入できますか?

必ず加入できるわけではありません。

緩和型にも告知項目があり、質問への回答内容やほかの条件をもとに、保険会社が個別に診査します。

休職したことは告知する必要がありますか?

告知書で休職、就業状況、治療状況などについて質問されている場合は、対象期間を確認して回答します。

すべての商品で同じ質問をされるわけではないため、実際の申込画面を確認してください。

薬をやめれば通常型医療保険へ入れますか?

保険のために薬を自己判断で中止してはいけません。

告知では、申込時点だけでなく、一定期間内の診察、治療、投薬について質問される場合があります。

うつ病治療中でもがん保険を検討できますか?

当社の取扱い商品では、うつ病で通院・服薬中でも、告知内容によってはがん保険を検討できるケースがあります。

ただし、無条件で加入できるわけではなく、加入可否は個別判断です。

Web完結でも告知は必要ですか?

Webで申し込む場合も告知が必要です。

お薬手帳、通院時期、入院・休職歴などを確認し、申込画面の質問へ正確に回答してください。


まとめ|緩和型医療保険とがん保険を中心に考える

うつ病で現在も通院・服薬中の場合、当社の取扱い・相談実務では、通常型医療保険への加入が難しいケースが多くあります。

そのため、提案の中心は次の2つです。

  • 病気やケガによる入院・手術へ備える引受基準緩和型医療保険
  • がんの診断や治療へ備えるがん保険

ただし、緩和型医療保険やがん保険であっても、誰でも加入できるわけではありません。

診断時期、通院、服薬、入院、休職・休学、現在の勤務状況を整理し、告知書の質問へ正確に回答してください。

保険に入りたいからといって治療を中断せず、現在の状態で検討できる保障を、無理のない保険料で整えることが大切です。

通院・服薬・休職歴を整理できた方は、緩和型医療保険とがん保険の告知項目、保障内容、保険料を確認しましょう。


14.参考資料・出典

知る|ストレスとこころ|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省 (mhlw.go.jp)

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。