白内障手術はいくらかかる?保険適用・多焦点レンズ・高額療養費を解説

目次

結論|白内障手術の費用は「レンズ・日帰りか入院か・公的制度」で変わる

白内障手術の自己負担は、「白内障なら一律○万円」とは決まりません。

まず、単焦点眼内レンズか、多焦点眼内レンズかを分けます。

単焦点眼内レンズを使う一般的な白内障手術は公的医療保険の対象です。

日本白内障屈折矯正手術学会では、70歳未満・3割負担の日帰り手術について、単焦点眼内レンズを使う片眼手術の自己負担額を約5万円の目安として示しています。ただし、実際の費用は入院の有無、検査、投薬、医療機関などによって変わります。

一方、多焦点眼内レンズでは、対象となるレンズを選定療養として使用する場合、通常の白内障手術部分には公的医療保険を使い、追加部分を患者が負担します。

そのため手術前には、**「病院へ払う総額」「高額療養費の対象部分」「現在の医療保険から受け取れる可能性のある給付」**を分けて確認するのがポイントです。


はじめに|「手術でいくら必要?」は最初に整理しておきたい

白内障手術を勧められたとき、

「日帰りならいくらですか?」

「多焦点レンズはかなり高いのでしょうか?」

「高額療養費を使えますか?」

「20年前から入っている医療保険から給付金は出ますか?」

と、お金の疑問が一気に出てきます。

現在のページ本文では、40代男性が白内障と診断され、点眼治療を続け、20年前から加入している医療保険があるという状況が掲載されています。

このケースでも、最初に新しい保険を探す必要はありません。

まず、

手術そのものにいくら必要なのか

↓

公的制度でどこまで負担を抑えられるのか

↓

現在契約している医療保険から給付を受けられる可能性があるか

の順に整理します。

この記事では、新しい医療保険へ入れるかどうかではなく、白内障手術に必要なお金をどう見積もるかに絞って解説します。


白内障手術の費用は単焦点・多焦点で分けて考える

白内障手術では、濁った水晶体を取り除き、眼内レンズを入れます。

そこで最初に確認したいのが眼内レンズです。

単焦点眼内レンズは公的医療保険の対象

単焦点眼内レンズは、一つの距離に焦点を合わせるレンズです。

一般的な単焦点眼内レンズを使った白内障手術は、公的医療保険の対象です。

日本白内障屈折矯正手術学会が示す費用の目安では、日帰り手術の場合、

  • 70歳未満・3割負担・片眼:約5万円
  • 70歳未満・3割負担・両眼を同じ月:約8万円
  • 70歳未満・3割負担・両眼を別月:約10万円

とされています。

ただし、これはあくまで目安です。

入院か日帰りか、検査・薬剤、医療機関、所得区分などによって実際の負担は変わります。

「白内障手術は5万円」と決めるのではなく、眼科で自分のケースの概算を確認してください。

入院すると費用は変わる

同学会では、70歳未満・3割負担の片眼の入院手術について、自己負担額を約8万円の目安としています。

ただし、入院施設や入院期間によっても費用は変わります。

また、食事代や差額ベッド代など、公的医療保険の自己負担とは別に発生する費用もあります。

手術前には、

「日帰りですか、入院ですか?」

「入院するなら何日程度ですか?」

「概算で窓口負担はいくらですか?」

まで病院へ確認すると家計の準備がしやすくなります。

多焦点眼内レンズは「選定療養」になる場合がある

多焦点眼内レンズでは、対象となるレンズを患者が選んだ場合、選定療養として扱われる仕組みがあります。

厚生労働省は「水晶体再建に使用する多焦点眼内レンズ」を選定療養の一つに位置づけています。

選定療養では、

通常の白内障手術に相当する部分 → 公的医療保険

多焦点眼内レンズによる追加部分 → 患者の追加負担

と分けて考えます。

そのため、

「多焦点眼内レンズは全部自費」

とも、

「健康保険だから全部3割負担」

とも言えません。

病院の見積りでは、保険診療部分と選定療養の追加料金を分けて確認してください。


高額療養費は「保険診療部分」で確認する

白内障手術に公的医療保険を使う場合、高額療養費制度を確認できるケースがあります。

高額療養費制度は、1か月の医療費の自己負担が年齢や所得に応じた上限額を超えた場合に、超えた額が支給される制度です。

2026年8月からは月額上限の見直しに加え、新たに年間上限も設けられています。

白内障では「同じ月か別の月か」も確認する

両眼を手術する場合、

  • 両眼を同じ月に手術する
  • 月をまたいで片眼ずつ手術する

では、高額療養費の計算に関係する可能性があります。

高額療養費は月単位の自己負担を基本に確認するためです。

そのため両眼手術を予定している場合は、

「右眼はいつ?」

「左眼はいつ?」

と日程まで確認してください。

多焦点眼内レンズの追加料金は分けて考える

ここが特に大切です。

選定療養で患者が追加負担する多焦点眼内レンズの特別料金は、公的医療保険の自己負担部分とは分けて考えます。

高額療養費について確認するときは、

手術全体の請求額を見るのではなく、どこまでが公的医療保険の対象部分なのか

を病院の見積りで確認してください。

たとえば手術前の相談なら、

  • 片眼か両眼か
  • 同じ月か別月か
  • 日帰りか入院か
  • 単焦点か多焦点か
  • 多焦点なら追加料金はいくらか

まで分けると、実際に準備する金額がかなり見えやすくなります。


現在の医療保険は「手術給付金」と先進医療を分ける

次に確認したいのが、すでに加入している民間の医療保険です。

手術給付金は現在の契約を確認する

生命保険文化センターでは、現在販売されている医療保険には、公的医療保険の対象となる手術を広く保障するタイプがある一方、契約時期や商品によって対象手術が異なると説明しています。

したがって白内障手術でも、

「日帰りだから出ない」

「白内障手術なら必ず出る」

とは決められません。

確認するのは、

  • 契約した時期
  • 正式な手術名
  • 入院中か外来か
  • 手術給付金の支払条件
  • 給付額
  • 除外条件

です。

一般的な確認方法は、医療保険の手術給付金はいくら?日帰り手術と対象外を確認でも整理しています。

多焦点眼内レンズと先進医療特約を混同しない

多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は、以前は先進医療として扱われていた時期があります。

しかし、2020年4月から制度が変わり、現在は対象となる多焦点眼内レンズが選定療養として扱われています。

そのため、

多焦点眼内レンズを使う
=先進医療特約から給付される

とは判断しません。

選定療養と先進医療は別の制度です。

先進医療特約については、治療を受ける時点の対象技術と現在の契約内容を確認します。

白内障の先進医療特約については、クラスター内の「白内障で先進医療特約は使える?多焦点眼内レンズとの関係を整理」で詳しく分けて確認します。


手術前は5つの資料を並べて「自分で出すお金」を計算する

白内障手術の費用を調べるときは、ネット上の平均額だけを見るより、手元の資料を並べた方が具体的です。

1.眼科の手術説明資料

まず、どのような手術を予定しているのか確認します。

片眼か両眼か、日帰りか入院かも見ます。

2.眼内レンズの説明資料

単焦点か多焦点かを確認します。

多焦点の場合は、選定療養の対象となるレンズか、追加料金はいくらかを病院へ確認します。

3.病院の費用見積り

できれば、

  • 保険診療部分
  • 選定療養の追加部分
  • 入院関連費用
  • その他の自己負担

を分けてもらうと理解しやすくなります。

4.現在の医療保険証券

すでに医療保険へ加入しているなら、現在契約を確認します。

新しい保険へ入る前に、今の契約からどのような給付を受けられる可能性があるのかを調べます。

5.ご契約のしおり・約款

手術給付金の対象、外来手術、給付額、先進医療特約などを確認します。

分からなければ、正式な手術名を手元に置いて契約先へ問い合わせます。

ここまで整理できると、

手術で必要になる総額

- 公的制度で軽減できる部分

- 現在の保険から受け取れる可能性のある給付

= 自分で準備しておきたい金額

という順番で考えられます。

現在の保障を確認した結果、将来の入院・手術保障にも不足があると感じた場合に、次の医療保険を比較すれば十分です。


白内障手術の自己負担と現在契約から受け取れる保障まで確認できたら、今後の入院・手術保障に不足がないか医療保険を比較できます。


よくある質問

白内障の日帰り手術はいくらくらいですか?

日本白内障屈折矯正手術学会では、70歳未満・3割負担で単焦点眼内レンズを使う日帰り片眼手術の自己負担額を約5万円の目安としています。

ただし、実際の費用は医療機関、検査、投薬、入院の有無などで変わります。

最終的には手術を受ける眼科の概算を確認してください。

多焦点眼内レンズは全部自費ですか?

全部が自由診療になるとは限りません。

選定療養の対象となる多焦点眼内レンズでは、通常の白内障手術に相当する部分は公的医療保険の給付対象となり、追加部分を患者が負担します。

多焦点眼内レンズの追加費用にも高額療養費を使えますか?

高額療養費は、公的医療保険の自己負担部分について確認する制度です。

選定療養で追加負担する特別料金とは分けて考えます。

病院の見積りで、どこまでが保険診療部分なのかを確認してください。

白内障手術なら医療保険から必ず給付金が出ますか?

必ずとは限りません。

契約時期、手術給付金の支払条件、入院・外来の違い、正式な手術名などを現在の約款と照らします。

多焦点眼内レンズなら先進医療特約を使えますか?

現在は「多焦点眼内レンズ=先進医療」とは判断できません。

対象となる多焦点眼内レンズは選定療養として扱われています。先進医療特約は、治療時点の先進医療該当性と契約条件を別に確認します。


まとめ|白内障手術は「総額」より費用の内訳を確認する

白内障手術の費用は、単に「白内障手術はいくら?」という数字だけでは決まりません。

単焦点眼内レンズを使う一般的な手術は公的医療保険の対象です。

多焦点眼内レンズでは、対象レンズを選定療養として使用し、通常の手術部分と追加負担部分を分ける場合があります。

さらに、

  • 日帰りか入院か
  • 片眼か両眼か
  • 同じ月か別の月か
  • 高額療養費
  • 現在加入中の医療保険の手術給付金
  • 選定療養と先進医療の違い

も別々に確認します。

まず眼科で手術内容と見積りを確認し、その横に現在の保険証券・約款を置いてください。

すると、

「病院へ払う金額」と「最終的に家計から出る可能性のある金額」

を分けて考えられるようになります。

白内障になったからといって、先に新しい保険を探す必要はありません。

まず今回の手術費用と現在持っている保障を確認し、そのあとで将来の医療保障を考える順番が分かりやすいでしょう。


本記事は保険・医療費に関する一般的な情報提供を目的としており、個別の医療費や給付金額を確定するものではありません。

本記事は※2026年9月24日時点で確認できる公的制度・公開情報等をもとに作成・更新しています。

具体的な手術内容・費用は受診する医療機関へ、高額療養費は加入する公的医療保険の保険者へ、民間医療保険の給付条件は現在加入している保険会社の約款・契約内容をご確認ください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。