掛け捨て生命保険はもったいない?教育費が残る40代の5確認

結論|40代は「戻るか」より、今すぐ必要な死亡保障と貯蓄を分ける

掛け捨て生命保険は、満期時にお金が戻らないことだけで「もったいない」とは決められません。

特に子どもの教育費がまだ残る40代では、貯蓄は将来使うお金、定期保険は今万一が起きたときの大きな不足を埋めるお金と役割を分けると判断しやすくなります。

先に保険商品を見るのではなく、教育費・生活費・住居費から、公的保障・貯蓄・現在の死亡保障を差し引き、「今足りない死亡保障はいくらで、あと何年必要か」を確認しましょう。

はじめに|「その保険料を貯金した方が得では?」と思ったら

たとえば40代前半、子どもがまだ学生で教育費が続く家庭を想定します。

死亡保険を調べていると、定期保険は掛け捨てだと知り、

「何もなければお金が戻らないなら、その保険料を貯金した方がいいのでは?」

と迷ったとします。

この相談で最初に確認するのは、「掛け捨てと貯蓄型のどちらが得か」ではありません。

聞きたいのは、

今日もし家計を支えている人に万一があったら、今ある貯蓄だけで子どもの教育費と家族の生活費を何年支えられますか?

ということです。

この記事は定期保険の仕組み全般を説明する記事でも、すでに加入している掛け捨て生命保険を解約・減額する記事でもありません。

これから死亡保障を準備する40代子育て世帯が「貯蓄する部分」と「定期保険へ任せる部分」を分ける記事です。

以下は説明のための一般例です、特定の相談者や契約結果を示すものではありません。

個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。

掛け捨て生命保険と貯蓄は競争させなくていい

生命保険文化センターによると、定期保険は保険期間が一定で、その期間中に死亡した場合に死亡保険金を受け取る保険で、満期保険金はありません。また、終身保険や養老保険と比べて少ない保険料で多くの死亡保険金を準備しやすい特徴があります。

ここで大切なのは、

貯蓄か保険か

という二択にしないことです。

貯蓄は「将来使う可能性が高いお金」

たとえば、

  • 数年後の大学進学費
  • 車の買い替え
  • 住宅修繕
  • 老後資金
  • 緊急予備資金

などは、将来自分で使う可能性が高いお金です。

こうした資金まで「生命保険で準備する」と考える必要はありません。

子どもがいる家庭で、緊急用の貯金と近い教育費・長期の教育積立を分けて整理したい方は、[子どもがいる家庭の貯金はいくら必要?生活防衛資金と教育費を分ける]で確認できます。

緊急予備資金のうち、短期の収入減に備えて何か月分を現金で持つかは、[生活防衛資金は何か月分必要?会社員・共働き・子育て世帯で考える]で、収入源・公的給付・固定費から整理できます。

定期保険は「今日起きたら貯蓄だけでは足りない金額」

一方、教育費をこれから10年以上貯める予定でも、来月万一が起きれば10年分の積立はまだ完成していません。

そこに保険の役割があります。

定期保険は「貯金の代わり」というより、貯蓄が完成する前に起きる大きな不足を一定期間カバーする方法の一つとして考えます。

定期保険そのものの仕組みや全期型・更新型、保障期間の基本から確認したい方は、定期保険とは?掛け捨ての特徴と必要な保障期間の決め方で分けて確認してください。

教育費が残る40代が確認したい5つのこと

1.誰の収入がなくなると家計が困るか

死亡保障は「40代だから必要」と決めるものではありません。

まず、

「夫に万一があったら」
「妻に万一があったら」

を別々に考えます。

収入だけではなく、家事・育児・送迎などを担っている人が亡くなれば、外部サービスの利用や働き方の変更によって支出増・収入減が起きることもあります。

2.子どもの教育費はあと何年間続くか

次に確認するのが期間です。

生命保険文化センターは、定期保険について一定期間の死亡保障を持つ仕組みと説明しており、逓減型では子どもの成長などに伴って減る必要保障額に合わせる考え方も示しています。

死亡保障も、

「一生いくら必要か」

ではなく、

大きな保障が必要なのはいつまでか

で考えます。

子どもの独立や教育費の終了が一つの目安になります。

家族に大きな死亡保障が必要な期間が見えてきた方は、貯蓄を止めるのではなく、貯蓄が完成するまでの不足部分を定期保険で補えるか確認できます。

3.住宅ローンは団信でどこまで減るか

住宅ローンがあるからといって、その残高をそのまま生命保険の死亡保障へ足すとは限りません。

団体信用生命保険に加入している場合は、誰が被保険者か、どのような場合に住宅ローン残高が弁済される契約なのかを確認します。

住宅購入後の生命保険との重複を詳しく確認したい方は、団信があれば生命保険はいらない?40代夫婦の必要保障額と見直し方で整理できます。

4.現在の貯蓄を全部「使えるお金」にしない

「貯金が1,000万円あるから死亡保険はいらない」と単純には決められません。

その1,000万円が、

教育費なのか、
老後資金なのか、
住宅修繕費なのか、
万一時に家族が使ってよい資金なのか、

を分けます。

死亡保障を計算するときに使うのは、本当に家族の生活再建へ回せる貯蓄です。

30代の具体的な死亡保障額を「支出-使えるお金」で考える例は、30代男性の死亡保険はいくら必要?専業主婦の妻に1000万円で足りる?でも確認できます。

5.毎月の保険料と貯蓄を両方続けられるか

死亡保障を厚くしすぎて、教育費や老後資金の積立ができなくなれば本末転倒です。

逆に、保険料をゼロにして貯蓄だけに寄せても、十分な資産ができる前の万一に大きな不足が残る場合があります。

そこで、

貯蓄を続けられる保険料の範囲で、必要な期間だけ不足額を保障する

という考え方を使います。

「掛け捨てか貯蓄型か、どちらが得か」ではなく、

家計全体で両方の役割が成立するか

を見ることが大切です。

既契約の解約記事とは仕事を分ける

すでに掛け捨て生命保険へ加入し、

「更新で保険料が上がる」
「今の契約をやめたい」
「保障額を減らしたい」
「別の定期保険へ乗り換えたい」

という方は、この記事の読者ではありません。

その段階は掛け捨て生命保険はもったいない?定期保険が向く人・向かない人で、残す・減らす・乗り換える判断として分けて確認します。

今回の記事は、まだ新しい死亡保障を選ぶ前の人にお読みいただきたい記事です。

教育費・住宅費・貯蓄を整理して、それでも万一時の不足が残る方は、必要な金額と期間に合う定期保険があるか契約条件を比較してください。

よくある質問

掛け捨て生命保険は、本当に何も戻らないのですか?

定期保険には満期保険金がありません。
また、解約返戻金は多くの場合あまりないと生命保険文化センターは説明していますが、実際の取扱いは契約条件によって異なります。

保険料を全部貯金した方が得ではありませんか?

将来まで時間をかけて十分な資金を貯められるなら、貯蓄は重要です。

一方、貯蓄が完成する前に万一が起きた場合の不足が大きい家庭では、一定期間を保険で補う考え方があります。
「得か損か」だけではなく、不足額と必要期間で判断します。

定期保険は子どもが独立したら必ずやめますか?

必ずではありません。

配偶者の生活費、借入れ、残したい資金などがあれば、子どもの独立後も死亡保障が必要な場合があります。
逆に不足額が小さくなれば、保障を減らす判断もできます。

更新型と全期型はどちらがいいですか?

一律には決められません。

生命保険文化センターによると、全期型は保険期間を通して保険料が一定で、更新型は更新時の年齢や保険料率で保険料が再計算され、通常は更新前より高くなります。
必要な保障期間と家計負担を確認して選びます。

今入っている定期保険をやめたい場合もこの記事で判断できますか?

既契約の解約・減額・乗り換えは別の判断です。

新しい契約を検討する前に現在契約をなくさず、保障額・更新・健康状態などを確認してください。

まとめ|「貯めるお金」と「今すぐ必要な保障」を分ける

掛け捨て生命保険を「何もなければお金が戻らないから損」とだけ考えると、本来の役割が見えにくくなります。

教育費が残る40代家庭なら、

誰の収入がなくなると困るか → 教育費はあと何年か → 団信で住宅費はどうなるか → 万一時に使える貯蓄はいくらか → それでも残る不足はいくらか

の順で確認します。

その不足をすべて保険で準備する必要も、すべて貯蓄だけで準備する必要もありません。

将来使う教育費・老後資金は貯蓄を続ける。一方、資産形成が完成する前に万一が起きた場合の大きな不足は、必要な期間だけ定期保険で補う。

このように役割を分ければ、「掛け捨てはもったいない?」という疑問を、単純な損得ではなく家計全体から判断できます。

本記事は※2026年8月25日時点で確認できる公的制度・公開情報等をもとに作成・更新しています。

本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。

参考・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。