掛け捨て生命保険はもったいない?定期保険が向く人・向かない人

40代女性

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結論|掛け捨て生命保険は「戻らない=損」とは限らない

掛け捨て生命保険は、貯蓄ではなく必要な期間の死亡保障を準備することを主な目的として考えます。
お金が戻るかだけで判断せず、「誰に・いくら・いつまで残したいか」を確認し、その目的に定期保険が合うかを考えることが大切です。

はじめに

「掛け捨ての生命保険は、何もなければお金が戻らないからもったいないですよね?」

生命保険を考えるとき、この疑問を持つ方は少なくありません。

確かに、定期保険は保険期間が一定で、その期間中の死亡などに備える保険であり、満期保険金はありません。

ただし、生命保険の役割は「払った保険料を取り戻すこと」だけではありません。

この記事では、掛け捨て型の死亡保障の代表例として定期保険を中心に、もったいないと感じる理由、終身保険との違い、向く人・向かない人、見直し前に確認することを順番に整理します。

掛け捨て生命保険とは?まず「何にお金を払っているか」を整理する

掛け捨て生命保険を考えるときは、「戻ってくるお金がない」という一点だけを見るのではなく、保険期間中にどのような保障を持てるのかを見る必要があります。

定期保険は一定期間の死亡保障を準備する保険

生命保険文化センターによると、定期保険は保険期間が一定で、その期間中に死亡した場合に死亡保険金を受け取る仕組みです。
満期保険金はありません。

たとえば、子どもが独立するまで、住宅費の負担が大きい期間、家族が自分の収入を必要とする期間など、大きな死亡保障が必要な時期を限定して備える考え方と相性があります。

つまり、何事もなく保険期間を終えた場合に満期保険金が戻らなくても、その期間に死亡保障を持っていたという役割まで「ゼロだった」わけではありません。

終身保険とは役割が違う

終身保険と定期保険は、「どちらが得か」だけで比べると判断しにくくなります。

生命保険文化センターでは、定期保険は比較的少ない保険料で多くの死亡保険金を準備する保障機能に優れ、終身保険には解約返戻金など貯蓄機能があると説明しています。
ただし、貯蓄機能がある保険でも、払い込んだお金が預貯金のように必ず増えて戻るわけではありません。

確認項目定期保険終身保険
主な役割一定期間の死亡保障一生涯の死亡保障
保険期間一定期間一生涯
満期保険金なし通常は満期という考え方ではない
解約時のお金商品・時期によりない、または少ない場合がある解約返戻金がある商品がある
考えやすい目的子育て期など一定期間の大きな保障一生涯残したい死亡保障など

大切なのは、「戻る・戻らない」から入るのではなく、何のための保険なのかを先に決めることです。

一定期間の死亡保障を準備する方法として定期保険が自分に合いそうなら、まず取扱いのある保障内容を確認してみましょう。

掛け捨て生命保険が向く人・向かない人

掛け捨て型が合うかどうかは、年齢だけでは決まりません。

最初に確認するのは、自分が亡くなったときに経済的に困る人がいるか、その不足がいつまで続くかです。

向きやすいのは「一定期間だけ大きな死亡保障が必要な人」

子どもが小さい、配偶者が自分の収入に大きく依存している、一定期間の生活再建資金を残したい、といった場合は、必要な死亡保障が大きくなることがあります。

こうした場合、「一生涯ずっと同じ保障額が必要なのか」と「今から一定期間だけ大きな保障が必要なのか」を分けて考えます。

必要保障額そのものについては、30代男性の死亡保険はいくら必要?専業主婦の妻に1000万円で足りる?で、生活費や貯蓄、公的保障などから不足額を考える順番を整理しています。
実際の必要額は家庭状況によって異なります。

また、45歳女性、高血圧ママ『健康診断で高血圧と言われたら保険は?』保険代理店さんへの相談記録でも、子どもの独立までなど必要な期間だけ死亡保障を確保する考え方を紹介しています。

大きな死亡保障が必要なくなったら、同じ契約を続けるとは限らない

子どもが独立し、貯蓄も増え、家族へ残す必要額が小さくなれば、大きな死亡保障を以前と同じように持ち続ける必要性が下がることがあります。

50代からの医療保険見直し術~独身・子ども独立・夫婦二人暮らしをプロがケース別解説では、子どもの大学卒業までに必要な死亡保障を確認し、定期保険を減額・解約する見直し例を掲載しています。

「掛け捨てだから解約する」のではなく、今もその死亡保障が必要かを確認するのが先です。

独身なら「大きな死亡保障が本当に必要か」から考える

独身だから死亡保険が不要、と一律に決めることもできません。

親への経済的な支援、借入金、葬儀費用など、亡くなった後に残したいお金があれば死亡保障を検討する理由になります。

一方、扶養家族がおらず、大きな資金を誰かへ残す必要もない場合は、高額な死亡保障の優先順位が低くなることがあります。

50代独身女性は医療保険に入るべき?入らないリスクと後悔しない選び方を解説でも、死亡保障を最低限にし、自分自身の医療保障を優先した相談例があります。


家族に必要な死亡保障の金額と期間が見えてきたら、その条件で準備できる定期保険があるか確認してみてください。

「もったいない」と思ったら保険証券の3か所を確認する

現在すでに生命保険へ加入している場合は、いきなり解約するのではなく、保険証券や契約内容のお知らせを手元に置いて確認します。

見るポイントは・・・
①保障額
②保障が終わる時期
③更新の有無
です。

1.死亡保険金額は今の家族に合っているか

契約当時に必要だった保障額と、現在必要な保障額は同じとは限りません。

結婚、出産、住宅購入、子どもの独立、退職などで、家族へ残したい金額は変わります。

「掛け捨てに毎月払っているのがもったいない」と感じたときは、保険料だけを見る前に、その保障額を今なくしても家族が困らないかを確認します。

2.何歳まで保障が続くか、更新があるか

定期保険には一定の年齢まで保障するものや、一定期間ごとに更新するタイプなどがあります。
実際に選べる期間や更新条件は商品によって異なります。

そのため、証券に書かれた「保険期間」「満期」「更新」などを確認し、自分が死亡保障を必要とする期間と合っているかを見ます。

子育てが終わる前に保障が終了するのか、それとも必要性が小さくなった後まで大きな保障が続くのかで、見直し方は変わります。

3.今の保険を先に解約しない

「掛け捨てだからやめて、別の保険に入り直そう」と考える場合は特に注意が必要です。

生命保険文化センターでは、現在の契約を解約して新しい生命保険へ乗り換える場合、年齢が上がることで保険料が高くなる場合や、健康状態によって新たな契約ができない場合があるため、新しい契約の成立後に解約するなど慎重な対応が必要と案内しています。

新しい保険へ申し込む際には、告知や所定の診査が必要になる場合があります。
現在の保障をなくしてから考えるのではなく、新しい契約の条件を確認してから現在契約をどうするか決める順番が大切です。

掛け捨て型の死亡保障が自分の目的に合うと判断した方は、現在契約を残したまま、検討できる定期保険の内容を確認してください。

よくある質問

掛け捨て生命保険は本当にお金が戻らないのですか?

定期保険には満期保険金がありません。解約時の返戻金については商品や契約時期などによって扱いが異なるため、契約概要や約款で確認してください。
定期保険の主な役割は、一定期間の死亡保障を準備することです。

掛け捨てより終身保険のほうが得ですか?

一律には言えません。

定期保険は一定期間の保障、終身保険は一生涯の死亡保障というように役割が異なります。
解約返戻金があることだけで判断せず、必要な死亡保障額、必要な期間、毎月負担できる保険料などから考えます。
生命保険文化センターも、優先したい保障が何かを考えて選ぶよう案内しています。

子どもがいる家庭は掛け捨て生命保険が向いていますか?

子どもがいるだけで決まるわけではありません。

ただ、子どもの生活費や教育費などで一定期間に大きな死亡保障が必要になる場合は、定期保険を選択肢として検討できます。
貯蓄、公的保障、配偶者の収入なども確認して不足額を考えます。

掛け捨て生命保険は何歳まで入ればよいですか?

全員に共通する年齢はありません。

「何歳まで」よりも、家族に大きな死亡保障が必要なのがいつまでなのかを確認します。子どもの独立時期、家族の収入、貯蓄、住居費などが変われば必要な期間も変わります。

まとめ

掛け捨て生命保険は、保険期間を終えても満期保険金がないため、「払ったお金がもったいない」と感じやすい保険です。

しかし、判断するときに最初に見るのは、戻るお金ではありません。

誰にお金を残したいのか、いくら必要なのか、いつまで必要なのか。

この3つを確認し、その期間だけ大きな死亡保障が必要なら、定期保険には役割があります。
一方、大きな死亡保障が必要ない方や、一生涯残したい保障を重視する方では別の考え方もあります。

現在契約を見直す場合は、掛け捨てという理由だけで先に解約せず、現在の保障内容と新しい契約の条件を確認してから判断しましょう。

個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。

本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。