脂質異常症で服薬中でも保険に入れる?緩和型医療保険・がん保険の選び方

- 1. 結論|提案の中心は緩和型医療保険とがん保険です
- 2. はじめに|コレステロールの薬を飲んでいても保険に入れますか?
- 3. 脂質異常症では通常型医療保険が難しいケースが多い
- 3.1. 治療中・服薬中は通常型の引受けが厳しくなりやすい
- 3.2. 薬をやめれば通常型に入れるわけではない
- 3.3. 健康診断で指摘されただけの場合も注意する
- 4. 引受基準緩和型医療保険という選択肢
- 4.1. 持病がある方も申し込みやすい医療保険
- 4.2. 緩和型でも告知内容を必ず確認する
- 4.3. 通常型より保険料が高くなる傾向がある
- 5. がん保険も提案の中心になります
- 5.1. 医療保険とは別にがんへ備える
- 5.2. がん保険で確認したい保障
- 5.3. 緩和型医療保険とがん保険を分けて考える
- 6. 脂質異常症の告知で準備するもの
- 6.1. 健康診断結果票
- 6.2. お薬手帳
- 6.3. 通院・治療の状況
- 6.4. 代理店へ口頭で話すだけでは告知にならない
- 7. 状況別に考える保険の選び方
- 7.1. 脂質異常症で服薬中の場合
- 7.2. 食事・運動療法のみの場合
- 7.3. 健康診断で再検査を指示されている場合
- 7.4. 高血圧・糖尿病・脂肪肝もある場合
- 7.5. 入院・手術を勧められている場合
- 8. 保険を選ぶときの3つの注意点
- 8.1. 加入できることだけで選ばない
- 8.2. 保険料を上げすぎない
- 8.3. 現在の保険を先に解約しない
- 9. よくある質問
- 9.1. 脂質異常症の薬を飲んでいても医療保険に入れますか?
- 9.2. 数値が正常なら服薬を告知しなくてもよいですか?
- 9.3. 脂質異常症でもがん保険に入れますか?
- 9.4. 緩和型医療保険とがん保険は両方必要ですか?
- 9.5. Web完結でも告知は必要ですか?
- 10. まとめ|緩和型医療保険とがん保険を中心に考える
- 11. 参考資料・出典
結論|提案の中心は緩和型医療保険とがん保険です
脂質異常症で通院・服薬中の場合、当社が取り扱う保険会社やこれまでの相談実務では、通常型医療保険への加入が難しく、引受け不可となるケースがほとんどです。
そのため、実際のご提案では次の2つが中心になります。
- 入院や手術に備える引受基準緩和型医療保険
- がんの診断や治療に備えるがん保険
健康診断で一度だけ数値を指摘された場合と、脂質異常症と診断されて治療・服薬を続けている場合では、診査の考え方が異なることがあります。
ただし、通常型医療保険、引受基準緩和型医療保険、がん保険のいずれも、加入可否は保険会社や商品による個別判断です。
「脂質異常症なら必ず入れる」「薬を飲んでいるからすべて入れない」とは断定できません。
健康状態や傷病歴は、告知書の質問に沿って事実をありのまま回答する必要があります。
はじめに|コレステロールの薬を飲んでいても保険に入れますか?
保険代理店には、脂質異常症について次のようなご相談が寄せられます。
「健康診断でコレステロールが高いと言われました。医療保険に入れますか」
「脂質異常症で薬を飲んでいます。持病がある人向けの保険しか選べないのでしょうか」
「通常型医療保険に申し込んだら断られました。ほかに入れる保険はありますか」
脂質異常症とは、血液中のLDLコレステロールが高い、HDLコレステロールが低い、中性脂肪が高いなど、血液中の脂質が基準値から外れた状態です。
自覚症状が少ないこともありますが、脂質の異常は動脈硬化の進行と関係し、心筋梗塞や脳卒中などにつながる可能性があります。
保険のために治療や服薬を中断せず、医師の指示に沿って健康管理を続けることが大切です。
この記事では、脂質異常症で通院・服薬中の方が検討しやすい、引受基準緩和型医療保険とがん保険について解説します。
個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。
脂質異常症では通常型医療保険が難しいケースが多い
治療中・服薬中は通常型の引受けが厳しくなりやすい
当社の取扱い商品とこれまでの相談実務では、脂質異常症と診断され、現在も通院や服薬を続けている方は、通常型医療保険への加入が難しいケースがほとんどです。
数値が薬で安定していても、次のような事実が告知の対象になります。
- 脂質異常症と診断されている
- 現在も医療機関へ通院している
- コレステロールや中性脂肪を下げる薬を服用している
- 定期的に血液検査を受けている
- 食事療法や運動療法を指示されている
- 高血圧、糖尿病、脂肪肝などを併発している
数値が安定していることは大切ですが、「薬を飲んで正常になっている」という場合は、服薬によって健康状態を管理している事実も含めて告知します。
薬をやめれば通常型に入れるわけではない
保険に入りたいという理由で、薬を自己判断で中止してはいけません。
医療保険の告知では、申込時点だけでなく、一定期間内の診察、検査、治療、投薬について質問されることがあります。
申込みの直前に薬をやめても、それまでの通院・服薬が質問の対象期間に含まれていれば、回答が必要です。
健康診断で指摘されただけの場合も注意する
まだ脂質異常症と診断されておらず、健康診断で要再検査や要精密検査を指摘されただけの場合もあります。
この場合は、次の内容を確認します。
- 健康診断を受けた日
- LDLコレステロールの数値
- HDLコレステロールの数値
- 中性脂肪の数値
- 要経過観察、要再検査、要精密検査などの判定
- 再検査を受けたか
- 医師から診断を受けたか
- 今後の受診予定
診断名がまだ付いていなくても、健康診断の異常指摘について質問されている場合は、判定や数値を回答します。
通常型医療保険への加入が難しい方は、現在の通院・服薬状況で確認できる引受基準緩和型医療保険の告知項目を見てみましょう。
引受基準緩和型医療保険という選択肢
持病がある方も申し込みやすい医療保険
引受基準緩和型医療保険は、通常型医療保険より健康状態に関する告知項目を限定した医療保険です。
一般的には3~5項目程度の告知が設けられ、所定の質問に該当しなければ申し込める商品があります。
ただし、質問内容や対象期間は保険会社によって異なり、誰でも加入できる保険ではありません。
脂質異常症で服薬中でも、告知項目の内容によっては引受基準緩和型医療保険を検討できる場合があります。
緩和型でも告知内容を必ず確認する
引受基準緩和型医療保険では、たとえば次のような内容を質問されることがあります。
- 最近、医師から入院や手術を勧められたか
- 一定期間内に入院や手術を受けたか
- 一定期間内に指定された病気で診察や治療を受けたか
- 現在入院中ではないか
- がんや特定の病気について治療歴があるか
具体的な質問や対象期間は商品ごとに異なります。
脂質異常症の薬を飲んでいることだけで判断せず、入院・手術の予定、ほかの病気、過去の治療歴まで確認します。
通常型より保険料が高くなる傾向がある
引受基準緩和型医療保険は、通常型医療保険より加入しやすい一方で、一般的に保険料が高くなる傾向があります。
そのため、加入できるかだけではなく、次の項目を確認することが大切です。
- 入院給付金の日額
- 日帰り入院の取扱い
- 入院一時金
- 手術給付金
- 先進医療に関する保障
- 通院保障
- 保険料の払込期間
- 更新による保険料上昇の有無
- 契約後の保障削減期間の有無
- 将来も無理なく払い続けられるか
保障を増やしすぎると、保険料の負担も大きくなります。
必要とする保障の優先順位を決め、長く継続できる金額に整えましょう。
糖尿病など、脂質異常症以外の生活習慣病で治療を続けている方も、通常型医療保険が難しい場合は引受基準緩和型医療保険が選択肢になります。
実際の相談事例は、[糖尿病治療中でも検討できる引受基準緩和型医療保険]も参考にしてください。
がん保険も提案の中心になります
医療保険とは別にがんへ備える
がん保険は、がんの診断や治療に備えることを目的とした保険です。
当社の取扱い商品やこれまでの相談実務では、脂質異常症で通常型医療保険への加入が難しい方でも、がん保険を検討できるケースが多くあります。
ただし、がん保険にも健康状態や既往歴に関する告知があります。
脂質異常症であれば無条件で加入できるという意味ではありません。
商品ごとの告知項目へ正確に回答し、最終的な加入可否は保険会社が判断します。
脂質異常症に限らず、治療中の病気によって通常型医療保険が難しい場合でも、引受基準緩和型医療保険やがん保険を検討できることがあります。
別の持病における考え方の一例として、[摂食障害治療中の緩和型医療保険・がん保険の考え方]も参考にしてください。
がん保険で確認したい保障
がん保険を検討するときは、保険料だけでなく、次の内容を確認します。
- がんと診断されたときの一時金
- 一時金を複数回受け取れる条件
- 手術、放射線治療、抗がん剤治療などの保障
- 通院治療への保障
- 上皮内がんの取扱い
- 再発・転移時の保障
- がんになった後の保険料払込免除
- 保障が開始される時期
- 給付金を受け取るための条件
医療保険は幅広い病気やケガによる入院・手術へ備えるものですが、がん保険はがんに対象を絞って保障します。
どちらか一方だけで十分と決めつけず、役割の違いを理解して組み合わせることが大切です。
緩和型医療保険とがん保険を分けて考える
脂質異常症で服薬中の方への提案は、次の2本柱で整理すると分かりやすくなります。
| 備えたい内容 | 主な保険 |
|---|---|
| 病気やケガによる入院・手術 | 引受基準緩和型医療保険 |
| がんの診断・治療・通院 | がん保険 |
| 入院時のまとまった出費 | 緩和型医療保険の入院一時金 |
| がん治療中の生活費や収入減 | がん診断一時金など |
| 先進医療への備え | 対象となる特約の内容を確認 |
緩和型医療保険だけに保障を詰め込みすぎず、がんへの備えはがん保険へ分けることで、保障内容を整理しやすくなる場合があります。
医療保険とがん保険をどのように分けるかは、年齢、予算、現在加入している保障によって異なります。
実際に2つの保険を組み合わせた例は、[50代女性が医療保険とがん保険を組み合わせた相談事例]でご覧いただけます。
入院・手術への備えと、がん治療への備えは役割が異なります。緩和型医療保険とがん保険を分けて確認しましょう。
脂質異常症の告知で準備するもの
健康診断結果票
健康診断結果票では、次の数値と判定を確認します。
- LDLコレステロール
- HDLコレステロール
- 中性脂肪
- 総コレステロール
- 肝機能
- 血糖値・HbA1c
- 血圧
- BMI
- 健康診断の総合判定
脂質異常症は、ほかの生活習慣病と一緒に指摘されることがあります。
脂質の数値だけでなく、健康診断全体を確認してください。
お薬手帳
お薬手帳では、次の情報を整理します。
- 薬の名称
- 服用を始めた時期
- 服用量
- 薬の変更歴
- 現在も服用しているか
- 脂質異常症以外の薬を飲んでいるか
薬の商品名が分からない場合は、「コレステロールの薬」などと曖昧にせず、お薬手帳や薬局から受け取った明細で確認します。
通院・治療の状況
次の内容も確認しておきます。
- 脂質異常症と診断された時期
- 通院している医療機関の診療科
- 通院頻度
- 最近の受診日
- 次回の受診予定
- 食事療法や運動療法の指示
- 医師から説明された現在の状態
- 入院・手術を勧められているか
- 心筋梗塞、狭心症、脳梗塞などの既往歴
- 高血圧、糖尿病、脂肪肝などの治療歴
代理店へ口頭で話すだけでは告知にならない
保険代理店の担当者へ、脂質異常症や服薬について口頭で話しただけでは、正式な告知にならない場合があります。
告知書、Web申込画面、保険会社が指定した医師など、所定の方法で回答する必要があります。
入力後は、通院、服薬、健康診断の異常指摘について回答漏れがないか確認してください。
状況別に考える保険の選び方
脂質異常症で服薬中の場合
通常型医療保険は難しいケースが多いため、引受基準緩和型医療保険とがん保険を中心に検討します。
まず、それぞれの告知項目へ該当しないか確認し、その後に保障内容と保険料を比較します。
食事・運動療法のみの場合
薬を飲んでいなくても、脂質異常症と診断され、医師の管理下で食事療法や運動療法を続けている場合は、その事実が告知の対象になることがあります。
「薬を飲んでいないから治療していない」とは判断せず、診断時期、通院状況、医師の指示を整理します。
健康診断で再検査を指示されている場合
再検査前に申し込めば有利になるとは限りません。
健康診断の異常指摘について質問されていれば、数値や判定を回答します。
入院や手術を急いで保障する事情がなければ、再検査を受け、現在の状態を確認してから申し込むほうが告知を整理しやすい場合があります。
高血圧・糖尿病・脂肪肝もある場合
脂質異常症以外にも治療中の病気がある場合は、すべての病気について告知書の質問を確認します。
複数の生活習慣病がある場合でも、引受基準緩和型医療保険やがん保険を検討できる可能性はありますが、告知内容は増えます。
一部の病気だけを省略せず、健康診断結果、お薬手帳、通院状況をまとめて準備してください。
脂質異常症と高血圧の両方で治療を受けている場合は、それぞれの診断時期、血圧の数値、服薬状況、最近の検査結果を整理します。
高血圧で服薬中の方の相談事例は、[高血圧を指摘された40代女性の医療保険選び]をご確認ください。
入院・手術を勧められている場合
脂質異常症そのものではなく、心臓、脳、血管などの病気について、入院や手術を勧められている場合があります。
引受基準緩和型医療保険でも、「最近、医師から入院や手術を勧められたか」という質問へ該当すると、申し込めない場合があります。
申込みを急がず、まず治療を優先してください。
保険を選ぶときの3つの注意点
加入できることだけで選ばない
持病があると、「入れる保険が見つかった」というだけで安心してしまいがちです。
しかし、実際には次の点まで確認する必要があります。
- 何日目の入院から保障されるか
- 日帰り手術は対象になるか
- 給付金を受け取れる手術の範囲
- がんの一時金を受け取れる回数
- 契約直後の保障制限
- 保険料を何歳まで支払うか
- 将来も継続できる保険料か
保険料を上げすぎない
引受基準緩和型医療保険は、通常型より保険料が高くなる傾向があります。
医療保険とがん保険の両方を手厚くすると、毎月の負担が大きくなることがあります。
まず必要最低限の保障を準備し、家計に余裕があれば保障を追加する順番が現実的です。
現在の保険を先に解約しない
すでに医療保険やがん保険へ加入している場合は、新しい保険の診査結果が出る前に解約しないでください。
新しい保険へ申し込んでも、加入できない場合や、希望した保障を付けられない場合があります。
新しい契約が成立し、保障開始日と契約条件を確認してから、現在の保険を残すか見直すか判断しましょう。

よくある質問
脂質異常症の薬を飲んでいても医療保険に入れますか?
当社の取扱い範囲では、通常型医療保険への加入は難しいケースがほとんどです。
一方で、告知内容によっては、引受基準緩和型医療保険を検討できる場合があります。
数値が正常なら服薬を告知しなくてもよいですか?
数値が正常でも、薬を服用している事実が質問の対象であれば回答が必要です。
現在の数値と、服薬によって数値を管理していることの両方を正確に回答してください。
脂質異常症でもがん保険に入れますか?
当社の取扱い商品では、通常型医療保険が難しい方でも、がん保険を検討できるケースが多くあります。
ただし、商品ごとに告知項目があり、加入可否は個別に判断されます。
緩和型医療保険とがん保険は両方必要ですか?
保障する対象が異なります。
入院や手術全般へ備える場合は引受基準緩和型医療保険、がんの診断や治療へ重点的に備える場合はがん保険を検討します。
予算や現在の保障内容に応じて、どちらか一方から始める方法もあります。
Web完結でも告知は必要ですか?
Webで申し込む場合も告知は必要です。
健康診断結果票やお薬手帳を手元に置き、質問の対象期間を確認しながら入力してください。
まとめ|緩和型医療保険とがん保険を中心に考える
脂質異常症で通院・服薬中の場合、当社の相談実務では、通常型医療保険への加入が難しいケースがほとんどです。
そのため、提案の中心は次の2つになります。
- 入院や手術に備える引受基準緩和型医療保険
- がんの診断や治療に備えるがん保険
通常型医療保険への加入にこだわって何度も申込みを繰り返すより、現在の健康状態で検討しやすい保険から保障を整えるほうが現実的な場合があります。
ただし、緩和型医療保険もがん保険も、誰でも加入できるわけではありません。
健康診断結果、通院状況、服薬内容、ほかの病気を整理し、告知書の質問へ正確に回答してください。
脂質異常症の通院・服薬状況を整理できた方は、緩和型医療保険とがん保険の告知項目、保障内容、保険料を確認しましょう。
参考資料・出典
- 厚生労働省「脂質異常症」
- 厚生労働省「脂質異常(コレステロールなど)」
- 生命保険文化センター「健康上問題があると、生命保険は契約できないの?」
- 生命保険文化センター「健康状態に不安がある人でも、契約できる医療保険とは?」
- 生命保険文化センター「病歴があったのに告知するのを忘れていたら?」
執筆者プロフィール

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三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。
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