脂質異常症でも医療保険に入れる?服薬中の告知・加入条件を確認

結論|病名・服薬だけで決めず、通常型を含め告知順から確認する

脂質異常症で通院・服薬中でも、「薬を飲んでいるから通常型医療保険は難しい」「最初から引受基準緩和型だけを選ぶ」と一律に決めることはできません。

生命保険では、現在の健康状態や過去の傷病歴などをもとに個別に診査され、通常の契約、条件付きの契約、引受け不可など判断が分かれる場合があります。

健康状態に不安がある方向けの引受基準緩和型医療保険もありますが、通常型より告知項目を限定している一方、保険料が割高になる傾向があります。

まずは自分の告知内容を整理し、通常型を確認できるか、その後に必要なら引受基準緩和型を比較する順番が分かりやすいでしょう。

はじめに|「服薬中だから普通の医療保険は無理?」と考えたら

脂質異常症は、LDLコレステロール、HDLコレステロール、トリグリセライドなど血液中の脂質の値が基準から外れた状態です。

厚生労働省は、これらの脂質異常が動脈硬化の促進と関連すると説明しています。

ただし、病名の説明と保険の加入可否は別の話です。

たとえば一般例として、「脂質異常症で薬を飲んでいます。普通の医療保険はもう無理ですか」と質問された場面を考えます。

このとき最初に確認するのは病名だけではなく、診断時期、現在の通院、服薬、最近の検査、ほかの治療歴です。

なぜなら、保険の診査は申込先の告知質問に沿って個別に行われ、同じ病名でも状況が同じとは限らないからです。

保険を検討するときに確認したいのは、「脂質異常症という病名があるか」だけではありません。

いつ診断されたのか、現在も通院しているのか、何の薬を飲んでいるのか、最近の検査や健康診断はどうだったのか、ほかに治療中の病気があるのか、といった事実を申込先の告知質問に沿って整理します。

すでに脳梗塞を経験している場合は、脂質異常症だけでなく発症時期や入院、現在の治療状況も分けて確認します。

詳しくは脳梗塞後の保険加入と告知の確認点をご覧ください。

個人情報保護のため、一部の情報を変更しています。

脂質異常症の告知前に確認する6項目

1.診断された時期と現在の通院状況

最初に、脂質異常症と診断された時期、最後に受診した時期、現在の通院頻度、次回受診の予定を確認します。

「昔から薬を飲んでいる」「数値は落ち着いている」といった記憶だけで入力せず、診療明細や通院記録などで確認できる範囲を整理すると、告知質問に答えやすくなります。

2.薬の名称・服用開始時期・変更歴

お薬手帳や薬局から受け取った明細で、現在の薬の名称、服用を始めた時期、薬の変更があったかを確認します。

数値が現在は基準範囲内でも、申込画面で一定期間内の診察・治療・投薬について質問されている場合は、その質問に沿って事実を回答します。

告知の対象期間や書き方そのものを確認したい方は、医療保険の告知はどこまで?通院歴の書き方を具体例で解説で、受診時期・治療内容・現在の状態を整理する順番を確認してください。

3.健康診断結果と最近の検査

健康診断結果票がある場合は、LDLコレステロール、HDLコレステロール、中性脂肪などの脂質項目だけでなく、判定内容や再検査の有無も確認します。

脂質異常症の診断基準に該当しても、厚生労働省は直ちに治療が必要とは限らないと説明しています。

保険の告知では、診断基準だけから自分で加入可否を判断するのではなく、実際に受けた診察・検査・治療と申込先の質問を照らし合わせます。

4.高血圧・糖尿病・脂肪肝など、ほかの治療歴

脂質異常症以外にも通院や服薬がある場合は、それぞれを分けて整理します。

高血圧で治療している方は[高血圧を指摘された40代女性の医療保険選び]、糖尿病の治療歴がある方は[糖尿病治療中でも検討できる引受基準緩和型医療保険]も確認できます。

動脈硬化と診断されている場合は、動脈硬化でも医療保険に入れる?治療中の告知・加入条件を整理で、現在の治療状況と周辺の治療歴をまとめる順番を確認してください。

5.入院・手術歴と現在勧められている治療

過去の入院や手術、現在医師から入院・手術を勧められているかも、申込先の質問に沿って確認します。

引受基準緩和型医療保険は告知項目が限定されていますが、質問内容や対象期間は保険会社・商品で異なります。

「脂質異常症の薬を飲んでいるか」だけで申し込めるかどうかを判断しないことが大切です。

6.現在加入している医療保険・がん保険

すでに保険に加入している場合は、新しい保険を考える前に、現在の保障内容、保険料、保障期間を確認します。

「新しい保険に入れそうだから」と先に現在の契約をなくすのではなく、新しい契約の診査結果や保障開始、契約条件を確認してから見直す順番にすると、保障の空白を避けやすくなります。

ここまで整理できたら、病名だけではなく、現在の告知内容をもとに確認できる医療保険を見比べる段階です。

診断時期・通院・服薬・検査結果を整理できたら、現在の健康状態で確認できる医療保険の告知項目と保障内容を見比べてみましょう。

通常型と引受基準緩和型は「確認する順番」で考える

まず通常型を確認できるかを見る

健康上の問題がある場合でも、通常の契約ができる場合、特別な条件が付く場合、契約できない場合などがあり、結果は一律ではありません。

生命保険文化センターは、健康状態に不安がある場合でも、まず通常の医療保険を契約できるか確認する考え方を示しています。

そのため、脂質異常症で服薬中という理由だけで、申込前から通常型を候補から外す必要があるとは限りません。

引受基準緩和型は告知項目と保険料を確認する

引受基準緩和型医療保険は、健康状態に関する告知項目を3~5項目程度に限定したタイプがあり、質問内容は保険会社によって異なります。

通常型より保険料が割高になる傾向もあるため、「入りやすそう」という理由だけで決めず、告知項目、保障内容、保険料を一緒に確認します。

先進医療の保障を確認する場合は、特約名だけで給付可否を判断せず、先進医療特約が使える条件で療養時点の制度と契約条件を分けて確認してください。

脂質異常症とは異なる持病で緩和型医療保険を考えるときの整理例として、[摂食障害治療中の緩和型医療保険・がん保険の考え方]も参考になります。

通常型と引受基準緩和型の違いまで整理できた方は、次に「どの保険なら入れるか」だけでなく、自分に必要な保障と続けられる保険料を確認しましょう。

通常型と引受基準緩和型の違いを整理したうえで、現在の健康状態で確認できる医療保険の告知項目・保障内容・保険料を比較しましょう。

がん保険は医療保険とは別に必要性を確認する

脂質異常症で服薬していることだけを理由に、「医療保険とがん保険をセットで持つべき」と決める必要はありません。

医療保険とがん保険では備える対象が異なるため、現在の保障、家計、がんへの備えとして何を重視するかを分けて考えます。

がん保険を新しく検討するときも、健康状態に関する告知があります。

告知範囲は商品ごとに異なるため、がん保険の告知内容は?何年前までの通院・検査を伝える?で質問の確認順を整理できます。

医療保険とがん保険を一緒に持つ場合の考え方は、[50代女性が医療保険とがん保険を組み合わせた相談事例]も参考にしてください。

よくある質問

脂質異常症で薬を飲んでいても通常型医療保険を確認できますか?

病名や服薬の有無だけで一律には判断できません。

現在の健康状態や過去の傷病歴などにより、通常の契約、条件付きの契約、引受け不可など判断が分かれる場合があります。

まず告知質問に沿って事実を整理し、申込先で確認します。

数値が正常なら服薬を書かなくてもよいですか?

「数値が正常だから不要」と自己判断せず、申込画面や告知書で質問されている期間と内容に沿って回答します。

現在の数値だけでなく、質問対象に通院・治療・投薬が含まれているかを確認してください。

代理店へ口頭で病名を伝えれば告知になりますか?

生命保険文化センターは、営業職員や保険代理店の担当者へ健康状態や傷病歴を口頭で伝えただけでは告知したことにはならないと説明しています。

保険会社が指定する告知書やWeb画面など、所定の方法で事実を回答します。

引受基準緩和型なら誰でも申し込めますか?

誰でも無条件に契約できる保険ではありません。

告知項目が限定されているタイプでも、所定の質問内容に沿って確認が必要です。

質問内容や対象期間は保険会社によって異なります。

まとめ|脂質異常症は「入れる・入れない」より先に告知を整理する

脂質異常症で服薬中の方が医療保険を考えるときは、病名だけで通常型を外したり、最初から引受基準緩和型へ決めたりしないことが大切です。

まず、診断時期、現在の通院、服薬、健康診断や検査結果、ほかの治療歴、入院・手術歴、現在の保障を整理します。

そのうえで通常型を確認できるかを見て、必要な場合に引受基準緩和型を比較します。

がん保険は自動的にセットにせず、がんへの備えが必要かを別に確認します。

保障内容を比較するときは、契約概要、注意喚起情報、約款などで自分の契約条件を確認してください。

金融庁も、保険契約にあたっては契約概要や注意喚起情報などを確認し、内容を理解したうえで契約することを案内しています。

ここまで整理できれば、「持病があるから何を選べばよいか分からない」という状態から、告知する事実と確認する順番を分けて考えられます。

告知する事実と確認順を整理できたら、現在の健康状態と必要な保障に合う医療保険の内容を確認してみましょう

本記事は※2026年9月5日時点で確認できる公的制度・公開情報等をもとに作成・更新しています。

本記事は保険に関する一般的な情報提供を目的としており、特定の保険会社や商品を推奨するものではありません。
具体的な商品内容、加入条件、保障・補償範囲は、契約概要、注意喚起情報、約款等をご確認ください。

参考資料・出典

執筆者プロフィール

(株)ライフ・アート谷口
(株)ライフ・アート谷口
三重県鈴鹿市の保険代理店(株)ライフ・アート 代表取締役。
大学卒業後、国内大手生命保険会社へ総合職として入社し主に教育関連職や拠点管理職を歴任。その後、独立し(株)ライフ・アートを設立。